5月の世界卓球では混合ダブルスで銀メダルを獲得した琉球アスティーダの吉村真晴選手に、今シーズンの意気込みなどをうかがいました。


ーーまずは先日の世界卓球混合ダブルスでの銀メダル獲得、おめでとうございます。この大会は吉村選手にとってどんな大会だったでしょうか。

ありがとうございます。もう一度こうやってメダルを取れるというのは特別なことですし、とても充実した大会でした。パートナーの大藤さん（大藤沙月選手）は初出場でしたけど、世界の舞台で決勝まで戦うことができて、彼女にとっても貴重な経験になったのではと思います。大藤さんの今後の活躍にも期待したいですし、自分も一緒に素晴らしい体験ができて嬉しかったです。



ーーTリーグの話に移ります。昨シーズンのチームはレギュラーシーズン1位通過ながらも、プレーオフで惜しくも敗れてしまいました。良かった点や課題など、振り返っていただけますか。

メンバーが揃ったときの琉球の強さというのはしっかり見せられたと思います。そして、自分や張本、篠塚などがいない時でも、岡野、鈴木、岩井田、上江洲といったメンバーたちがチームのために1点でも多くを勝ち点を取ろうということで、本当に力を合わせてやってくれて。「チーム力」というものを強く感じることができたシーズンでした。チームは張本智和を筆頭に強力な布陣でしたけど、プレーオフでは自分があと一歩のところでうまく点が取れずに足を引っ張ってしまいました。自分にとっては良いシーズンではあったけれど、同時に学びも多い悔しいシーズンでもあったと思います。


ーー吉村選手個人としてはマッチ勝利数3位、勝率2位、サービスエース数1位という成績でした。個人成績はご自身でどのような評価をされていますか。

篠塚（篠塚大登選手）とは、張本智和のワンマンチームに見られないように、自分たちでもどんどん勝ち星を挙げて「琉球には俺らだっているからな！みたいな感じでいこうぜ」という話をしていました。結果として勝利数や勝率でトップ3に入れてチームにも貢献できたと思いますし、充実した戦いができました。サービスの数字に関しては、シーズン中はあまり気にしていませんでしたが、自分の特長であり得点源なので、1位という結果を残せたのは素直に嬉しいですね。


ーー新しいシーズンを迎えるにあたって、チームの雰囲気はいかがですか。

田㔟さん（前・男子ナショナルチーム監督 田㔟邦史氏）が新しく監督になったり、韓国の選手が入ってきたりと、まだ全員ときちんと会って話をしていないので、自分たちの目指していくところ、これからどういう方針で戦っていくかなどを選手と監督、オーナーも含めたチーム全体で、しっかりとコミュニケーションを取る必要があるなと思っています。昨シーズンの悔しい結果を踏まえて、もう一度優勝に向けてどういう準備と入り方をするか、シーズン初戦に向けてきちんと確認していきたいです。


ーー今季の琉球アスティーダ、注目してほしいポイントはどんなところですか。

今シーズンは自分と同い年の大島祐哉がチームに入ってきます。大島は僕にとって本当に特別な存在で、大島がいたからこそ自分もこの立場まで成長できたと思っています。代表でプレーしている時は毎日一緒に練習して、その後に二人で焼肉へ行ったりと、お前らデキてるんじゃないかって言われるくらい、四六時中一緒にいました（笑）。そんな大島ともう一度チームメイトになれるのは非常に楽しみですし、彼のプレーには是非注目してほしいです。そして、僕や大島といったベテランと若手、新しく加わる韓国選手とが融合した琉球アスティーダを楽しんでもらえたらと思います。



ーーチームと個人それぞれの目標、今シーズンの意気込みを教えてください。

チームとしてはレギュラーシーズンの連覇、プレーオフの優勝を目指して頑張っていきたいです。個人としては10勝以上、そして勝率ももう一度トップ3を目指したいですね。今シーズンは自分がチームのエースになるぞという、強い覚悟を持ってプレーしたいです。


ーー吉村選手が思う、卓球やTリーグの魅力、楽しみ方を教えてください。

卓球は老若男女問わず楽しめるスポーツです。日本代表の選手も10代から30を超えたベテランまで年齢層が幅広いですし、例えばラグビーなどは大人と小学生がやったら絶対勝負にならないけど、それが卓球なら小学生でも勝てることもあるっていう。年齢関係なくみんなで競えるスポーツだと思います。そして、まだ卓球の試合を観たことがない方は、ぜひ会場まで足を運んでほしいです。サーブ前の緊張感や静けさ、息の詰まるようなラリーなど、テレビでは味わえない会場ならではの洗練された空気感を感じてもらえると思います。



吉村真晴（よしむら まはる）
琉球アスティーダ所属
茨城県出身　1993年8月3日生まれ
身長177cm　右シェークドライブ型

（構成・スポニティ編集部）