【ツギクルTリーガーの通信簿】再起に向けて着実に前進中 曽根翔

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【ツギクルTリーガーの通信簿】再起に向けて着実に前進中 曽根翔

ノジマTリーグ2025-26は1週間の小休止中です。その間、卓球界には大きな動きがありました。インターハイ男子では川上流星選手(木下マイスター東京、以下KM東京)がシングルス、ダブルスともに優勝、女子はシングルス面手凛選手(日本生命レッドエルフ)、ダブルスは牧野美玲櫻井花ペア(両者ともにKA神奈川)が優勝と、Tリーガーたちの活躍が光る大会となりました。またWTTチャンピオンズ横浜の男子シングルスでは張本智和選手(岡山リベッツ、以下岡山R)が世界ランク2位の王楚欽選手を下して見事に優勝しました。こうした勝ち運に乗った選手たちがTリーグでどんな戦いを見せるのか、多い注目したいところです。


さて今回の通信簿は、曽根翔選手(T.T彩たま)の現状について紹介いたします。

曽根選手の2024-25シーズンは、シングルスのみ13試合出場で4勝9敗という不本意なものでした。その予兆は2024年1月の全日本卓球選手権大会にありました。2023年の同大会では3位に入り、「今大会こそ優勝」と意気込んで臨んだこの大会で、まさかの5回戦敗退という結果に終わった曽根選手は、そこからスランプに陥ってしまったようです。本人自身が、この時期について「自分を見失っていた」と後に語っていますが、一時期は休養を取らねばならぬほどに心身ともに疲弊し切っていたようです。2023-24シーズンに、チームの大黒柱としてシングルス、ダブルス合わせて35もの試合に出場した疲労が蓄積していたのでしょう。2024-25シーズンの開幕節には間に合わず、9月に出場後も11月までは1勝5敗と不振が続いていました。

潮目が変わったのは12月。この時期、T.T彩たまは怒涛の7連勝を飾り、首位に立っていました。このチームの勢いに乗り、地力を発揮し始めた曽根選手は、2連勝と浮上のきっかけをつかみます。そして迎えた2025年1月の全日本卓球選手権大会では、前大会での成績が響いてノーシードでの出場となりましたが、6試合を勝ち上がって準々決勝に進出しました。そこで、この大会で優勝した松島輝空選手(KM東京)に2-4と惜敗したものの、「自分を取り戻した」という実感を得たようです。12月以降のシーズン成績は3勝4敗と黒星こそ先行しましたが、4つの敗戦のうち3試合がゲームカウント2-3の接戦と復活への確かな歩みを感じさせました。



そして迎えた今シーズン、曽根選手は開幕戦から出場し、2勝1敗と好調さを保っています。敗戦した試合もゲームカウント2-3の惜敗でしたし、8/3(日)の岡山Rとの対戦では、日本のエース張本智和選手を破る殊勲の星を挙げました。現時点でT.T彩たまは1勝2敗と黒星先行の4位ですが、昨シーズンの7連勝が示す通り、一度調子に乗ってしまえば手がつけられないほどの強さを秘めたチームでもあります。今後の曽根選手に求められるのはチームに大爆発をもたらす、起爆剤としての役割でしょう。177cmと卓球選手としては大柄な体躯から繰り出されるパワフルなドライブに加え、日本でも屈指の威力を持つと評されるチキータという武器を持つ曽根選手は、チームに勢いをもたらすのにうってつけの選手です。

曽根選手が遺憾なく自分の実力を発揮して、勝利を積み重ねることができれば、昨シーズン、まさにあと一歩のところで届かなかった優勝がグッと近づきます。のみならず、曽根選手自身も日本代表という一段上のステージで戦う権利を得ることにつながります。曽根選手がTリーグで、そして世界の舞台で躍動する姿を期待して応援していきましょう。


曽根翔(そね・かける)
2002年12月1日兵庫県生まれ。愛工大名電中学・高校を経て愛知工業大学に進学するも、2022年6月にTリーグに専念するため中退。2023年全日本卓球選手権大会シングルス3位。2020-21シーズンよりTリーグに参加。以後現在に至るまでT.T彩たま一筋。日本でも三指に入ると評されるチキータが最大の武器。


(文・江良与一)

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