【ツギクルTリーガーの通信簿】新天地での活躍に期待 小林広夢

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【ツギクルTリーガーの通信簿】新天地での活躍に期待 小林広夢

ノジマTリーグ2025-26シーズンは、前節を終えた時点で、男子は金沢ポート(以下金沢P)、T.T彩たま琉球アスティーダ(以下琉球A)の3チームが団子状態で首位を争い、女子は日本生命レッドエルフが混戦から一歩抜け出して首位に立っています。まだまだシーズン序盤ゆえ、大きな波乱が起こる余地はじゅうぶんにあり、最後まで目の離せないシーズンとなりそうです。

さて、今回の通信簿は、昨シーズンのT.T彩たま初優勝の立役者であり、今シーズンからは新天地、金沢Pに移籍してさらなる飛躍を期す小林広夢選手を紹介します。


小林選手の躍進は、2024年の全日本卓球選手権大会から始まりました。この大会のダブルス部門に、日本大学の1年後輩の伊藤礼博選手とペアを組んで出場した小林選手は、数々の強豪ペアを撃破し勝ち進み、決勝では張本智和(当時琉球A,、現岡山リベッツ)、森薗政崇(当時静岡ジェード)組を下して優勝を果たしました。また、出澤杏佳選手(当時九州アスティーダ、現九州カリーナ)と組んだ混合ダブルスでもベスト8まで進出しました。この好成績は、技術面、精神面に双方における小林選手の脱皮を促したようです。2024-25シーズンは、有延大夢選手とのペアで18勝4敗の圧倒的成績を挙げ、T.T彩たまを、チーム創設以来の悲願であったTリーグ制覇に導く最大の原動力となりました。なお、小林・有延ペアは、最多勝利数と最高勝率を記録した活躍が認められ、ベストペアにも輝いています。

勢いそのままに、ダブルス2連覇を目指して伊藤選手とともに出場した2025年1月の全日本卓球選手権大会では、準決勝で、飯村悠太木方圭介組と対戦。先に2ゲームを奪って王者の貫禄を見せますが、その後の3ゲームを落として、まさかの逆転負け。3位に終わってしまいました。なお、こちらも2年連続となった出澤選手とのペアで臨んだ混合ダブルスでは、ベスト8進出と健闘を見せました。



そして2025年4月。小林選手は世間を驚かす進路選択をします。自らの活躍で初優勝を掴んだT.T彩たまからの契約満了に伴う退団とともに、金沢Pへの入団を発表したのです。息のあっていた有延選手とのペア解消、これから黄金時代を迎えるかもしれない登り調子のチームからの離脱は、卓球ファンに大きな衝撃を与えました。この決断の大きな理由は、金沢Pが、上位進出を目指すためにはダブルスの強化が第一であると考えたことと、シングルスで世界に進出していきたいと考えている小林選手の意向を最大限に尊重し、フォロー体制を整えると表明したことでした。4月に日本大学を卒業し、実業団チームのファーストにも所属することが決まった小林選手。今までの環境をガラリと変え、あえて状態の良いチームから、苦戦続きで上位進出のままならないチームに移籍したことは、より厳しい環境に身を置き、自身を追い込んだ上で、世界進出を目指す、という小林選手の決意の表れでしょう。


小林選手の加入は金沢Pに新風を吹き込んだようで、前々節まで破竹の5連勝を飾り、シーズン序盤ではありますが首位に立つという健闘につながっています。少々気になるのは、愛工大名電中学・高校の後輩でもある谷垣佑真選手とのペアで臨んでいるダブルスの成績が7戦して3勝4敗と、やや苦戦している点です。チームの5連勝中の成績も3勝2敗と物足りません。二人とも実力はじゅうぶんにある選手なので、シーズンの深まりとともに、勝ち星が伸びていくことに期待がかかります。また、現時点でシングルスに未出場であることも若干気がかりなところです。チームの勝利のために調子のいい選手を起用するというのは勝負の世界の鉄則ではあるものの、小林選手の意向を考えると、こちらもやや出遅れ感が否めません。とはいえシーズンは始まったばかり。小林選手がどう成長し、そのことがどうチームを変えるのか。今後の金沢Pには要注目です。


小林広夢(こばやし・ひろむ)
2002年9月21日東京都生まれ。愛工大名電中学・高校を経て、2025年4月に日本大学卒業。同時に実業団のファースト入部。2024年全日本卓球選手権大会ダブルス優勝、2025年同大会では3位。2023-24シーズンよりT.T彩たまに入団し、Tリーグ参入。2025-26シーズンからは金沢Pに移籍。


(文・江良与一)

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