【ツギクルTリーガー】強豪木下アビエル神奈川でレギュラー定着を目指す 岡田琴菜
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今回は、Tリーグ在籍4シーズンの所属チームが全て異なるという、異色の「渡り鳥Tリーガー」岡田琴菜(おかだ・ことな)選手を紹介いたします。
岡田選手は2002年6月に兵庫県で誕生しました。「ポスト黄金世代」の一角で木下アビエル神奈川(以下KA神奈川)のチームメイトである長﨑美柚選手とは同学年にあたります。地元三木市のクラブチーム「ALLSTAR」に所属し、卓球生活を始めた岡田選手は、地元では無敵と言って良い強さを誇り、早くから関係者の注目を集める存在でした。
小学校卒業後は、親元を離れ、高知県の強豪・明徳義塾中学に進学、高校もそのまま持ち上がりで明徳義塾高校に進みます。この6年間の修練は、岡田選手を「兵庫県内の有力選手」から世代のトップランナーへと押し上げる効果をもたらしました。中学時代の2016年には、全国中学校卓球大会でチームを団体優勝に導く活躍を見せました。高校進学後の2019年のインターハイでは、女子シングルス、女子ダブルスともに準優勝し、ポスト黄金世代の一人として注目を浴びる存在へと成長しました。
高校卒業後は、当時インカレ優勝4回を誇る名門の愛知工業大学に進学し、新たなステージで修練を積むこととなりました。2023年のインカレでは中心選手として、同校の5度目の制覇に貢献しています。
そして、Tリーグには2021-22シーズンから参入しました。最初のチームはトップおとめピンポンズ名古屋(以下TOP名古屋)で、入団早々主力選手としての抜擢を受け、シングルス4試合、愛工大でのチームメイトである大川真実選手とペアを組んだダブルス12試合に出場しました。しかしシングルスは2勝2敗、ダブルスは3勝9敗と不本意な成績に終わり、TOP名古屋も最下位に沈みました。
翌22-23シーズンは日本ペイントマレッツ(以下ニッペM)に移籍しましたが、シングルスは3試合、ダブルスは1試合のみの出場で全敗と、Tリーグの壁に跳ね返される日々が続きました。
続く23-24シーズンは、心機一転京都カグヤライズに移籍したものの、残念ながら1試合も出場できませんでした。そんな中でも、2024年1月の全日本卓球選手権大会では、愛工大のチームメイトである谷垣佑真選手(岡山リベッツ)と組んだ混合ダブルスで準優勝し、着実な進歩を見せました。
そして今シーズンは、4チーム目となるKA神奈川に移籍となりました。現時点でKA神奈川はニッペMの後塵を拝していますが、まだまだ優勝をじゅうぶんに狙える状態です。入団後初出場となったニッペMとの首位攻防戦では、リジンシカ選手とのペアでダブルスに出場し、貴重な勝利を挙げて存在感を示しました。
岡田選手の戦型は右シェークドライブ型で、フォアの強打が多くの場合決め球となります。バックハンドも決して苦手なわけではなく、度々強力なドライブを放つ場面が見られますが、フットワークに優れているため、フォアからのショットを放てる位置まで回り込むことも少なくありません。また、多彩なサーブも武器の一つで、相手の戦型や試合の状況により、順横回転、巻き込みでの逆横回転、バックハンドからのサーブなどを使い分け、相手からのチャンスボールを引き出すことに成功しています。
厳しい優勝争いの中でチームに加わった岡田選手には、逆転優勝に向けての切り札的な役割が期待されているのではないでしょうか。その期待に応えることができれば、「渡り鳥」生活にも別れを告げることができるでしょう。のみならず、日本代表として世界と戦うことにもつながっていきます。
岡田琴菜(おかだ・ことな)
2002年6月21日兵庫県生まれ。明徳義塾中学・高校を経て現在愛知工業大学在学中。2019年インターハイ女子シングルス、女子ダブルスでともに準優勝。2024年の全日本卓球選手権大会では谷垣佑真選手と組んでの混合ダブルス準優勝。Tリーグには2021-22シーズンより参入し、今季は4チーム目となるKA神奈川に在籍。戦型は右シェークドライブ型で、強力なフォアと、俊敏なフットワーク、多彩なサーブが持ち味。
(文・江良与一)