【ツギクルTリーガー】「エースのカスミ」の座を受け継ぐことができるか? 木村香純


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【ツギクルTリーガー】「エースのカスミ」の座を受け継ぐことができるか? 木村香純

いよいよ今週末の7月29日(土)からTリーグの2023-24シーズンが開幕します。酷暑というに相応しい暑さの続く毎日ですが、それ以上に熱い戦いが来春まで続きます。

そんな今回は、トップおとめピンポンズ名古屋の主力としての飛躍が期待される木村香純選手を紹介いたします。

木村選手は1999年10月に千葉県の市原市で誕生しました。5歳からラケットを握り始めた木村選手は小学校時代から注目を集めていた存在で、スカウトを受ける形で大阪の名門四天王寺羽曳が丘中学に進学します。一年時から早くもレギュラーの座をつかみ、同中を全国中学校体育大会3連覇に導きます。勢いそのままに系列の四天王寺高校に進学しましたが、ここでも団体戦では無類の強さを発揮し、彼女の在学中はインターハイでは負けなしの3連覇を果たします。

高校卒業後は、関東の強豪専修大学に入学。2019年の全日本学生選抜大会シングルスで優勝するなど、石川佳純選手の後継者として「エースのカスミ」と呼ばれる日が近いことを予感させる活躍を見せました。

そして、ファンや卓球関係者の大きな期待を背に、大学在学中の2020-21年シーズンに木下アビエル神奈川に入団します。
木下アビエルでは一年目からレギュラー選手としての抜擢をうけ、日本生命レッドエルフとの開幕戦で早田ひな選手に3-0で圧勝し、いよいよ「正式」に「エースのカスミ」襲名かと思わせましたが、残念ながら快進撃はここまで。シーズン途中に国際試合の舞台から復帰してきた「本家」石川選手に出番を奪われる形で、ルーキーイヤーはシングルス6勝3敗、ダブルス0勝3敗と、及第点ギリギリとでもいうべき成績に終わりました。

2021-22年シーズンは、それでも主力としてシングルス、ダブルス合わせて23試合に出場しましたが、シングルス5勝9敗、ダブルス1勝8敗と、伸び悩みます。

2022-23シーズンはトップおとめピンポンズ名古屋に移籍。心機一転して飛躍を狙ったシーズンでしたが、出場はシングルス2試合のみで未勝利に終わりました。

大きな壁にぶち当たっている木村選手ですが、実は中学2年の時にも一度大きな挫折を味わっているそうです。団体戦の一員として戦っている時は無敵でも、個人戦では大阪府予選で敗れてしまい、全国大会に出場できなかったのです。この時、木村選手は団体戦のチーム内では「5番目」という役割。当時のルールでは、先に3勝した方が勝ちで、3勝後の試合は打ち切りとなっていたそうですが、当時の四天王寺羽曳が丘中学は圧倒的なレベルを誇っており、ほとんどの試合が3-0で終了してしまい、木村選手の出番はほとんどなかったそうなのです。ただし、監督からは「5番目の選手まで回ってくるということはチームが苦戦しているということ。そういう状況の中で5番目を任すことができるのはお前しかいない」と言われていたそうです。当時は試合に出たい気持ちの方が強くてピンときていなかったようですが、この時の挫折を新しい視点で捉え直し、「最後は自分が決めるしかない」という強い気持ちを手に入れられれば、エースの座をつかむことができるはずです。「カスミ」といえば石川ではなく木村、という日が来ることを期待して応援していきましょう。

木村香純(きむら・かすみ)
1999年10月24日、千葉県市原市で誕生。専修大学在学中の2020-21シーズンに木下アビエル神奈川に入団してTリーグデビュー。2022-23シーズンよりトップおとめピンポンズ名古屋に移籍。戦型は右シェーク裏裏の攻撃型。巻き込みサーブからの3球目攻撃が得意。

(文・江良与一)

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