【今週のTリーグ勝敗予想】今季のTリーグ総括と来季展望ー女子編ー
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先週に引き続き、今季のTリーグを総括しつつ、いち早く来季の展望などに迫っていきます。今回の当連載ではその女子編をお届けしていきます。
女子はすでに世界トップクラスのリーグに
男子同様、女子もいくつかのチームが海外選手を獲得しました。ただ、今の日本の女子卓球界は、まるで中国のように競争が激しく、世界でも十分通用する選手が国内でひしめいている状態です。そのため、たとえ世界ランク上位の海外選手であっても、Tリーグで勝つことは容易ではありません。
現在世界ランク8位のシンユビン選手は、日本ペイントマレッツの大藤沙月選手に敗れていますし、現世界ランク11位のアドリアーナディアス選手も、安藤みなみ選手や出澤杏佳選手に敗れるなど、日本代表クラスの選手以外を例に取っても、世界のトップクラスの選手たちと引けを取らないレベルであることがよくわかります。
中国や世界でも今では希少な佐藤瞳選手や橋本帆乃香選手のようなカットマンには、ソンメイヨウ選手やソンイジェン選手、ユエンシュエジアオ選手などの中国選手が次々と敗れ、またハンシキ選手を下した野村萌選手や、ソンメイヨウ選手を負かした成本綾海選手、上記のディアス選手だけでなくチャンルイ選手相手に勝利を収めた出澤杏佳選手など、撃破した例は枚挙にいとまがありません。
こうした異質攻撃型の選手たちも海外にはあまりいない日本特有のプレースタイルであり、特に海外選手がTリーグで勝つことを難しくしている要因になっています。
このように、世界最高峰と呼ばれる中国超級リーグに出場する選手や、世界ランクのトップの選手たちですら容易に勝てない状況が見られていることから、女子においては、Tリーグはすでに世界のトップリーグの一つになったと言っても過言ではないでしょう。
女子は分極化傾向が顕著に
男子に比べ女子はより、1位・2位争い、3位・4位争い、5位・6位争いに分極化しています。リーグ内での競争という意味では、あまり活発とは言えない状況です。
その一方で、今季の試合を見ていく中で、下位のチームが上位のチームに食らいつくための策もまた見えてきました。
まずはダブルスの徹底的な強化です。個人の実力が必ずしもダブルスの実力にそのまま反映されるとは限らない、という点については先回も触れたとおり。実際、一人一人の実績は劣っていても、ダブルスでのペアリングの良さで、上位のチームのペアに勝つ場面もしばしば見受けられました。下剋上のために大きな鍵になる部分と言えるでしょう。
次に、たとえ相手が上位チームであっても、エースの選手が、3番手以降の選手に勝てるようにしておくことも大切なポイントです。これは、ダブルスと相手エース以外の一人さえ倒せば、実力差が反映されにくい1セットマッチに勝負をかけられるからです。上位チームには、国際大会へ出場する選手が多く所属しています。そうした選手たちはチームを留守にする機会も多いため、3番手以降の選手に勝てる実力さえあれば、相手エースが不在のタイミングで下位チームは勝ち星をさらに増やせる可能性があります。
昨シーズンではありますが、トップおとめピンポンズ名古屋はダブルスの勝利数1位になった南波侑里香・鈴木李茄ペアの活躍と、シーズン中6度ものVマッチを制する勝負強さで、日本生命レッドエルフを抑えてレギュラーシーズン2位になりました。
単純な戦力差にとらわれることなく、個ではなく集団としての戦術を確立し、徹底して実践するチームが現れてくれば、来季の女子は分極化の流れに歯止めがかかるかもしれません。
(文・干場卓哉)
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