【今さら聞けない卓球用語】結局「チョレイ」ってどういう意味?


スポニティ


14,599

【今さら聞けない卓球用語】結局「チョレイ」ってどういう意味?

スポニティ卓球による週次連載記事、第一回と第二回では卓球の技術について解説してきましたが、今回第三回では、卓球選手が得点した時のかけ声について解説します。

世界で最初に「チョレイ」と言ったのは誰?
初めて卓球の世界選手権が行われたのは1926年です。その時代の映像を見てみると、誰一人得点をしても声やガッツポーズもとりません。ただ淡々とそそくさと次のプレーを始めます。

1950年代に入ると、日本が世界の卓球界で頭角を表し始めます。1954年から1959年まで、日本は男子団体で5連覇し、通算で7回優勝しています。女子も、団体戦では1952年に初優勝し、通算8回優勝しています。

1980年代に入ると、「ヨォー」「ウォー」「シャー」「ショー」などのかけ声を聞くようになりますが、まだ「チョレイ」と言っている選手はいません。ちなみに、この「ヨォー」とか、「シャー」、「ショー」というかけ声は、日本語の「ヨシ」とか「ヨッシャー」から派生した可能性が高いと言われています。

1990年代に入ると、かけ声のバリエーションが増え、現代にグッと近づきます。その中でも、かなり核心に迫る試合を発見しました。1991年の世界選手権千葉大会の女子シングルスの決勝戦では、中国の鄧亜萍(とうあひょう)選手が得点時に「サーッ」とか「チャオラァ(チョーレイにも聞こえなくはない)」と言っているのを確認できました。

また、1993年の世界選手権イエテボリ(スウェーデン)大会の男子のシングルスでは、フランスのガシアン選手が「ジョレイ」とか「チョレイ」「ヨーレイ」と言っているのを確認できました。

このガシアン選手のかけ声が最も現在のかけ声に近く、中国選手の中でよくチョレイと言っていた馬琳(まりん)選手は、93年の世界選手権の後の1994年に中国の代表チームに入っているので、もしかすると、ガシアン選手が世界的な大会で初めてチョレイと言った選手なのかもしれません。

結局、チョレイはどういう意味?
だとしたら、なぜガシアン選手は「チョー、ジョー、ヨー」に「レイ」をつけたのか、ガシアン選手の母国のフランスではどんな意味があるのか、気になったので調べてみました。

フランス語に"aller(アレィ)"という言葉があって、「行く、進む」という意味らしいです。もし、「チョー(ジョー)」+「aller」なのだとしたら、限りなくチョレイの謎の解明に近づきますね。

日本語で言うと「よっしゃ!行くぜ!」みたいなニュアンスだと思いますが、テニスの大坂なおみ選手が得点をした時に"Come on"と言うことがありますが、あれに近いのではないでしょうか。

結局のところは、ガシアン選手に聞かなければ真相はわからないですし、卓球の歴史の中で、色々な言葉が混ざったり変化して、次第に生まれた"文化"なので、卓球の試合で喜ぶときはそのような声を出すものなんだ、と思っていただければ、それ以上の深い意味は特にないと思います。

例えば、張本智和選手に「チョレイってどういう意味?」と聞いても、わからないと言うでしょうし、チョレイと言っている世界中のプレーヤーに聞いても、おそらく意味がわかる人は一人もいないでしょう。

最近では、テニスの真似なのか、「カモン!」と言う選手もいます。自分を鼓舞したり、気合いをいれるためのかけ声なので、相手を威嚇したり侮辱したりしなければ、なんでもいいんです。

いかがでしたでしょうか、最初は聞き慣れないと思いますが、深く考えずに単なる喜びや気合いの表れだと思うと、だんだん違和感なく聞こえてくると思います。

文:干場卓哉(ホシバタクヤ)

 ナイス!(0
  コメント(0

 コメントを書く

コメントを入力するにはログインが必要です。

新着ニュース

Tリーグ 2024-2025

ノジマTリーグ2024-2025
【レギュラーシーズン】
チケット発売中

Tリーグ公式 デジタルトレーディングカード Tリーグデジタルカード

Tリーグ公式
デジタルトレーディングカード
『Tリーグデジタルカード』

Rebglo
T.LEAGUE 公式サイト