【ツギクルTリーガー】雪辱を期してTリーグにカムバック 枝廣瞳
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ノジマTリーグ2024-25シーズンにおいて、10月16日現在未勝利と苦闘が続いているのが京都カグヤライズ(以下京都K)。小学生Tリーガー松島美空選手をはじめ、各世代の実力者を揃えながらのこの不振は意外という他ありませんが、何か一つ歯車が噛み合えば巻き返しはまだまだ可能です。今後の奮起に期待しましょう。
さて、今回はそんな京都Kに今シーズンから加わった枝廣瞳(えだひろ・ひとみ)選手を紹介いたします。
枝廣選手は2001年2月に岡山県で誕生しました。実業団で長い間卓球選手として活躍していた父の影響でラケットを握った枝廣選手は、地元のサンフラワー卓球クラブ、父、3歳年下の妹である愛さんとの日々の練習で腕を磨き、小学校時代から全国大会の常連として活躍します。愛さんは現在京都Kのチームメイトでもあります。中学は地元の芳泉中学に進学。妹の愛さんの成績が抜きん出ていたために、あまり目立ちませんでしたが、全国大会に出場するなど「ひっそり」と実績を積んでいました。高校は、卓球に専念できる環境を求めて、広島県の強豪・進徳女子高校に進学します。広島県内では無敵の存在となり、インターハイをはじめとする全国大会にも度々出場しますが、残念ながら優勝などの華々しい成績を挙げるまでには至りませんでした。高校卒業後には近畿の名門、神戸松蔭女子学院大学に進学、高いレベルの修練を積みました。この修練が枝廣選手の成長を促したようで、関西学生リーグでは常に優勝を争い、インカレや全日本卓球選手権大会などの全国大会でも上位入賞を度々果たす強豪チームの主力選手となりました。そして、在学中の2021-22シーズンにトップおとめピンポンズ名古屋(以下TOP名古屋)に入団し、Tリーグデビューを果たします。デビュー戦となった大学の同級生鶴岡菜月選手とのダブルスで勝利し、幸先良いスタートを切ったものの、シーズン通算ではシングルス1勝1敗、ダブルスも1勝1敗と、出場機会にすら恵まれないという状態に終わり、シーズン終了後には退団となりました。Tリーグの高い壁に跳ね返され、1シーズンでの撤退を余儀なくされたのです。
しかし、枝廣選手は前を向き続けていました。卓球部主将を務めた2022年の全日本学生卓球選手権大会では、団体優勝に導くとともに個人としてもシングルス、ダブルスで奮戦しました。大学卒業後には実業団の中国電力ライシスに入団し、2023年には実業団の全国大会であるビッグトーナメントの女子シングルスで優勝。2024年にはチームをデンソー前期日本卓球リーグ静岡大会優勝に導く活躍を見せました。
この活躍が認められ、京都Kと契約をかわし、Tリーグにカムバックすることとなりました。苦戦続きの京都Kにあっては、個々の戦いで勝利することはもちろん、大学、実業団で培ってきた「ウイニングカルチャー」をチームに伝え、浸透させ、京都Kを「勝てるチーム」に成長させることも期待されています。現時点で個人としてはシングルス2敗、ダブルス1敗のみと残念ながら結果は残せていません。今後の巻き返しを期待するとともに枝廣選手のキャプテンシーがどのように発揮されていくかにも注目したいところです。
枝廣選手の戦型は右シェークドライブ型で、女子選手としては長身の164cmという体躯から繰り出す、球質の重いショットが特徴です。特にバックハンドからのドライブが強烈で、巻き込みサーブからの3球目攻撃は得点率の高い攻撃となっています。愛さんと姉妹で飛躍する姿を期待して応援していきましょう。
枝廣瞳(えだひろ・ひとみ)
2001年2月17日岡山県生まれ。岡山市立芳泉中、広島の進徳女子高校を経て神戸松蔭女子学院大学卒。大学在学中の2021-22シーズンにTOP名古屋に入団するも1シーズンで退団。2024-25より京都K入団。チームメイトに愛選手が在籍。戦型は右シェークドライブ型で、重い球質のバックハンドドライブが最大の武器。
(文・江良与一)