【ツギクルTリーガーの通信簿】「3年目の正直」でTリーグ史上最年少勝利 松島美空


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【ツギクルTリーガーの通信簿】「3年目の正直」でTリーグ史上最年少勝利 松島美空

ノジマTリーグ2024-25シーズンは、11月9日に男女ともに上位2チームの直接対決が行われ、男子は岡山リベッツ、女子は日本ペイントマレッツが勝ち、いずれも首位を堅持しました。男女ともに、昨シーズンの王者が敗れるという結果は、Tリーグに新時代が到来したことの一つの表れではないでしょうか。後半戦に向け、木下マイスター東京(以下KM東京)、木下アビエル神奈川の巻き返しにも、他チームの頑張りにも大いに期待したいところです。


さて、今回は今節の試合で首位攻防戦以上のインパクトをファンに与えた京都カグヤライズ(以下京都K)の松島美空(まつしま・みく)選手の通信簿をお送りいたします。

松島選手は2013年6月生まれで、現在京都市立武田小学校在学中の小学生Tリーガーです。レジェンド福原愛さんを継承する「天才卓球少女」として、Tリーグに参戦したのは2022-23シーズン、小学校3年生の時です。さすがに「天才卓球少女」の肩書だけではTリーグでの勝利はつかめず、同シーズンはシングルス4試合に出場して全敗。翌23-24シーズンもシングルスのみ3戦に出場して全敗、そして今シーズンも11月9日までシングルス5試合に出場して全敗と勝ち星に見放され続けていました。


11月10日、京都Kは難敵日本生命レッドエルフと対戦。松島選手は第3試合のシングルスに出場しました。対戦相手は、パリオリンピックで韓国の女子チームを団体戦で銅メダルに導いたベテラン、チョンジヒ選手。チョン選手の世界ランクは16位で、年齢差は「親子対決」と言っていい21もあり、今までの実績から考えても、チョン選手の勝利は順当とみられていました。

第1ゲームを11-5と幸先よく先取した松島選手は、第2ゲームこそ3-11と落としましたが、続く2つのゲームは11-4、11-9で危なげなく押し切り、Tリーグ参戦3シーズン目にして待望の初勝利を挙げたのです。11歳4ヶ月での勝利はもちろんTリーグ最年少。この歴史的勝利を、現在のTリーグきっての難敵から挙げてしまうところに松島選手の強いスター性と強運が感じられますね。

初勝利までの苦闘が長かった分、この歴史的金星をきっかけに、連勝街道を突っ走る姿、大記録を打ち立てる姿が見られるかも知れません。松島選手の残した記録はそのまま「Tリーグ史上最年少」という冠がつくことにもなり、卓球ファン以外の方の耳目を惹きつける話題性をも持ち合わせています。


松島選手の戦型は左シェークドライブ型です。まだ小学生という幼さゆえに、パワーという面ではどうしてもレベルの高いTリーグの“お姉さん”選手たちに見劣りしてしまいますが、その劣勢を補うだけの敏捷さと粘り強さ、高度な細かいテクニックを現時点ですでに持ち合わせています。実際に、初参戦した2024年1月の全日本卓球選手権大会一般の部女子シングルス1回戦では「大人」の選手に3-0のストレート勝ちを収めています。また、Tリーグで数多く負けたことと、めげずに挑戦し続けたことによって培われたであろう精神的な強さも大きな財産となっています。

身体的な成長に伴って、フィジカルの強さが身についてくれば、日本女子卓球界の屋台骨を背負うだけの存在となるのは確実です。松島選手の成長はまた、低迷が続く京都Kを上位に押し上げていく原動力にもなるはずです。松島選手個人としての成長と、京都Kの躍進を期待して応援していきましょう。


松島美空(まつしま・みく)
2013年6月24日京都府生まれ。現在京都市立武田小学校在学中。長兄・輝空さんはKM東京所属のTリーガー、次兄・翔空さん、妹・愛空さんも卓球選手という「卓球界最強の4兄妹」の一員。2022-23から最年少Tリーガーとして京都Kに所属。戦型は左シェークドライブ型で、素早いフットワークと、粘り強いラリーが特徴。


(文・江良与一)

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