【ツギクルTリーガーの通信簿】ダブルスのスペシャリストとして修練中 首藤成美


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【ツギクルTリーガーの通信簿】ダブルスのスペシャリストとして修練中 首藤成美

全日本卓球選手権大会シングルス一般の部は、男子が松島輝空選手(木下マイスター東京)の初優勝、女子は早田ひな選手(日本生命レッドエルフ)の3連覇という結果となりました。ジュニアの部男子では、「ツギクル」で紹介した吉山和希選手(岡山リベッツ)が優勝、女子は張本美和選手(木下アビエル神奈川)3連覇。張本美和選手は一般の部でも決勝まで進み、2冠達成も期待されましたが、早田選手が「黄金世代」の意地を見せたかたちとなりました。1月30日からはダブルスが開催されます。こちらも熱戦に期待しましょう。


さて、今回の全日本卓球選手権大会ではシングルスには出場せず、女子ダブルス・混合ダブルスに専念するという決断を下した、首藤成美(しゅどう・なるみ)選手の現在位置についてご紹介させていただきます。


首藤選手が、Tリーグに参戦したのは、高校在学中の2022-23シーズン。福岡県で生まれ、石田卓球クラブ、中間東中、希望ヶ丘高校と地元一筋で、各種の大会で好成績を上げ続けていた首藤選手は、地元密着を強く打ち出している九州アスティーダ(以下九州A)の強化方針にぴったりの選手でした。大きな期待を背に身を投じたTリーグでしたが、順風満帆とはいえず、2022-23シーズンはシングルス1試合のみの出場で敗戦、ダブルスは1勝3敗に終わり、翌2023-24シーズンはダブルス出場7試合と起用される機会は増えたものの、1勝6敗とTリーグの壁に跳ね返される日々が続きました(シングルスは出場なし)。

そんな中、昨年春には、関東の強豪専修大学への進学が決まり、初めて地元を離れることとなりました。環境が大きく変わり、競技レベルも一段上のステージに進んだ中での修練は、首藤選手の実力アップに寄与しているようです。現時点でダブルスのみ3試合に出場し2勝1敗と白星が先行しています。敗戦の相手は、現在の日本では世界ランクが最も高い横井咲桜大藤沙月ペア(日本ペイントマレッツ)でしたが、この試合はフルゲームにもつれ込む接戦で、しかも各ゲームのスコアが11-10、10-11、9−11という、まさに紙一重での黒星でした。昨シーズンの後半からペアを組み始めた、大学の先輩でもある出澤杏佳選手との息が合ってきたことも好調の要因の一つでしょう。


首藤・出澤ペアは、今回の全日本卓球選手権大会にも「専修大ペア」として出場することが決まっており、どこまで勝ち進むことができるか要注目です。なお、首藤選手は混合ダブルスにも木塚陽斗選手との「専修大ペア」で挑むことになっています。こちらのペアの戦いぶりからも目が離せません。

Tリーグのみならず、数々の大会においてシングルスでの戦いがあまり見られていないのは寂しい限りですが、現時点においてはダブルスのスペシャリストとして修練を積み、戦い続けることが自身の実力を向上させるために最良の方法だということを、首藤選手が自覚した結果としてのダブルス専念なのでしょう。来シーズン以降の戦いを考える上でも、結果も試合内容も大いに問われることとなるのが今大会です。

そして、終盤を迎える2024-25シーズンのTリーグにおいても、首藤選手の活躍は大きな意味を持ちます。苦戦続きの九州Aが上位進出を果たすために必要なピースであることはもちろん、首藤選手ペアに「喰われる」か否かによってチームの勝ち点に影響が出、そのことで最終順位が左右されることもあり得ます。首藤選手が出場機会を増やし、ダブルスでの「大物喰い」を果たす姿を期待して応援していきましょう。


首藤成美(しゅどう・なるみ)
2006年1月21日福岡県生まれ。中間東中学、希望ヶ丘高校を経て、現在専修大学在学中。2022年全日本卓球選手権大会女子ジュニアベスト8、混合ダブルスベスト16。2022-23シーズンより九州Aに入団しTリーグ参戦。戦型は左シェークドライブ型で、卓抜したフットワークと両ハンドからのキレの良いドライブが持ち味。


(文・江良与一)

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