【今さら聞けない卓球用語】昨季のデータを分析して今季の予想に役立てよう!
スポニティ
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スポニティによる週次連載記事の第11回、今回は前回のTリーグのデータを分析し解説していきます。なお、データは全てTリーグの公式サイトから引用したものです。
男子シングルスランキング
男子はハオシュアイ選手が、主な成績指標である、勝利数、勝率、サービスエース、サーブ時得点率、マッチ出場数などにおいて全て1位であり、突出しているのがわかります。
また、勝利数並びに勝率の高い選手、吉村真晴選手や篠塚大登選手、及川瑞基選手などは、サーブ時得点率でもほぼ同じように上位にいます。
つまり、これらの選手は3球目攻撃などのサーブからの展開に非常に強みを持っているということがわかります。
ちなみに張本智和選手は、勝利数では上位にいたものの、サーブ時得点率で上位にいなかったことから、やはり張本選手の武器はレシーブでのチキータだったり、必ずしもサーブからの展開を主要な得点源にはしていないことがわかります。
男子ダブルスランキング
主要な指標の上位には全て大島祐哉選手と篠塚大登選手がランクインしており、昨シーズンはこのペアが非常に優秀だったことがわかります。今シーズンも同じように活躍できるのかが男子ダブルスの注目ポイントでしょう。
それ以外では、やはりダブルスの名手の森薗政崇選手や、木造勇人選手など、左利きの選手がダブルスでは活躍しているのが目立ちます。この二人は今シーズンはどちらも昨シーズンとは違うチームに所属していますので、それがどのように混戦に影響をもたらすのか、これもダブルスの注目ポイントでしょう。
女子シングルスランキング
勝利数では、1位の安藤みなみ選手を筆頭に加藤美優選手、芝田沙季選手と続き、これはマッチ出場数のランクとほぼ同じであり、この3人はそれぞれのチームで高い信頼を得ていて、期待に応える力がある選手だということがわかります。
しかし、勝率になるとこの順位が一変します。1位から順に伊藤美誠選手、早田ひな選手、橋本帆乃香選手、平野美宇選手、そして5位に勝利数3位の芝田沙季選手が続きます。
また、面白いことにサーブ時得点率でも、上位には早田選手や平野選手、4位に芝田選手で5位が伊藤選手と、勝利数よりも勝率の高い選手が上位にランクインしています。
つまり、勝率の高い選手は出場する試合の数は少なくても、負けられない試合やここ1番の大事な試合において、勝負強さを発揮できる選手だと推察することができます。
そして、その要因は"サーブを持ったときの強さ"にあるのではないか、と私はこのデータから読み取りました。伊藤選手の独特なフォームのサーブ、早田選手の長いリーチを活かした3球目攻撃、平野選手のサーブからの高速ラリーなど、サーブを持った時に高い確率で得点できる武器を持っている、それがプレッシャーのかかる場面でも得点できる勝負強さにつながっているのではないでしょうか。
女子ダブルスランキング
主な指標は鈴木李茄選手、南波侑里香選手ペアと芝田沙季選手、大藤沙月選手ペアが際立っていますが、その中で注目したいのが、木原美悠選手です。
木原選手はダブルスにおいては、木下アビエル神奈川からは一人だけ、勝率1位、サーブ得点率1位の上位指標にランクインしています。
これはつまり、木原選手は右利きでありながら、どんな選手とダブルスを組んでも力を発揮することができる、ということです。
いかがでしたでしょうか、データは誰でも見ることができますので、これを今シーズンのTリーグの勝敗予想の参考にしてみるのも面白いかもしれませんよ。
文:干場卓哉(ホシバタクヤ)