【アナタの知らない卓球の世界】11戦無敗! 日本ペイントマレッツの躍進の理由とは?
スポニティ
0
1
23
無敗。
卓球ファンなら、この圧倒的な記録がいかに難しいかを知っているでしょう。
今シーズン、その偉業を継続し、Tリーグで全勝を続けるチームが一つだけあります。
その名も日本ペイントマレッツ。
11試合を戦い抜いて負けなし、これは単なる幸運ではありません。
むしろ、彼女たちの試合は勝利の方程式そのもの。どの試合も圧倒的な展開で、相手に隙を与えない完璧なゲーム運びを見せています。
ではなぜ、ここまで無敵の戦いを続けられているのでしょうか? 他チームが恐れ、ファンが熱狂するその強さの秘密に迫ります。
なぜ強いのか?
日本ペイントマレッツが他チームを圧倒している理由は、チーム全体の安定感と選手層の厚さにあります。
昨シーズンと比べて最も顕著な変化はシングルスとダブルス双方での勝率の向上で、シーズン序盤から全勝を続けており、延長戦でも負けなし。
この勝負強さが、無敗記録を支える重要な要素となっています。
特に注目すべきは、ダブルスの安定感です。
昨シーズンはダブルスの成績にムラがありましたが、今シーズンは大藤沙月選手を中心としたペアが安定したパフォーマンスを見せ、試合の流れを決定づけています。
大藤沙月選手、橋本帆乃香選手、芝田沙季選手、佐藤瞳選手など、レギュラー選手全員が、重要な試合で結果を出し、それぞれが得意分野を活かし、チーム全体で相手を圧倒する戦術が功を奏しています。
また、試合中の戦術変更やメンバー起用、選手の入れ替えが大きいTリーグの特性を理解し、的確に相手の戦略を見極め、ベストの布陣で挑む姿勢が、安定した成績に繋がっているのではないでしょうか。
橋本帆乃香選手の安定感
その中でも特に安定したパフォーマンスを誇るのが、橋本帆乃香選手でしょう。
橋本選手は昨シーズンも安定感ある戦いぶりを見せていましたが、今シーズンは本当に神がかった成績を上げています。
圧巻なのは、シングルス勝率84%という強烈な数字。しかも試合数も13戦している中でのこの結果です。
とりわけ、11月9日に行われた木下との試合では、世界卓球出場者でもある木原美優選手を3-0で完封するという快挙を成し遂げました。
前半戦のMVPは彼女になるだろう。いや、ならなかったらおかしい――そんな声も囁かれるような好成績を橋本選手は上げているのです。
大藤沙月選手の覚醒
しかも、彼女だけではありません。今シーズン、大藤沙月選手もさらなる飛躍を遂げています。
WTTチャンピオンシップでの優勝という輝かしい成果を引っ提げて、Tリーグでもその勢いを維持し、ダブルスでもシングルスでもしっかりと結果を残しています。
特に、大藤選手の攻撃的なプレースタイルは、多くの場面で試合の流れを大きく変える力を持っています。
近年の成長で、フォアハンドとバックハンドの安定感が向上し、どの試合でも勝負を決める場面を作り出す力を持っているからです。
大藤選手の活躍は、チームの快進撃に欠かせないピースであり、彼女の存在はまさに今シーズンの日本ペイントマレッツの象徴となっていくでしょう。
まとめ
今シーズンの日本ペイントマレッツの強さは、チーム全体の安定感、選手層の厚さ、そして個々の選手の進化にあり、チーム力をより強固なものにしています。
ただ、まだまだ勝負の行方は分かりません。
昨シーズンの覇者・日本生命や木下も、じゅうぶん優勝のチャンスがあります。
日本ペイントマレッツが、無敗記録をどこまで伸ばしていくのか、そしてプレーオフではどのような戦いが待ち受けるのか。その動向に、一層注目が集まりそうです。
(文・富永陽介)