【ツギクルTリーガー】相思相愛の金沢ポートで吼えまくる 徳田幹太


スポニティ


7

参入初年度の昨シーズンは最下位に終わったものの、今シーズンは木下マイスター東京からの2勝、首位を走る岡山リベッツからの勝利を含むチーム史上初の4連勝を記録し、混戦が続く男子リーグの台風の目となっているのが金沢ポート(以下金沢P)。今回は、今シーズンから金沢Pに加入しTリーグデビューを果たした、徳田幹太(とくだ・かんた)選手を紹介いたします。


徳田選手は2004年12月に愛媛県で誕生しました。5歳の頃に母の指導でラケットを握り始めます。するとすぐに才能が開花し、小学校2年時には全日本卓球選手権バンビの部で優勝し、「天才卓球少年」の座に躍り出ました。

しかし、徳田選手には先天性の心疾患があり、小学校4年時に手術を行うこととなり、しばらくは表舞台から遠のいてしまいます。この時期は無理のきかない身体であることを逆手にとって、長時間のサーブ練習を行うなど、基本的な技術を磨くことに専念しました。また、本を読み漁って見聞を広め、人としての成長を果たす期間ともなったようです。そして小学校6年時に全日本卓球選手権大会ホープスの部男子シングルスでベスト8入りするなどの実績を残し、トップ選手への「復帰」を果たしました。


中学は、より良い環境を求めて、山口県の野田学園中学に進学。全国から俊英が集まる同校は徳田選手にとって実力を蓄える最良のゆりかごとなったようです。高校はそのまま野田学園高校へと進み、インターハイでの優勝を目指しますが、徳田選手の在学時は愛工大名電高が絶対王者として君臨しており、団体戦では残念ながらその牙城を崩すことができませんでした。

個人としては最終学年の男子シングルスでは決勝まで進んだものの、鈴木颯選手(琉球アスティーダ、以下琉球A)に敗れ、無冠のまま卒業となってしまいました。なお、高校3年時には、2歳年上の姉・明梨さんと姉弟で組んだ混合ペアで山口県予選を突破し、全日本卓球選手権大会への出場を果たしています。


大学は幼少期から憧れていたという早稲田大学に進学。活躍を期待されての入学でしたが、1年時は不振に喘ぎ「徳田選手は大学に入って伸び悩んでいる」という声が方々から上がりました。しかし、徳田選手は、愛媛出身でプロ野球選手として長く活躍した岩村明憲氏の座右の銘である「何苦礎魂」を胸に修練をつみ、今年の全日本大学総合卓球選手権大会男子シングルスで優勝を果たしました。

5回戦以降の4試合は全てフルゲームまでもつれ込む激戦続きで、5回戦では、インターハイ決勝で敗れた鈴木颯選手にリベンジを果たすと、準々決勝で三浦裕大選手(筑波大・金沢P)、決勝で岡野俊介選手(朝日大・琉球A)とTリーガーを次々と撃破しての堂々たる優勝でした。

この優勝に感動し、獲得を決めたのが他ならぬ金沢Pの西東輝監督でした。当初は獲得候補ですらなかったそうですが、追い込まれても追い込まれても諦めない姿勢と、試合中に気迫や喜びを目一杯表現する姿が、チームに勢いをもたらすと期待して獲得を決断したそうです。徳田選手自身も「ユニフォームがカッコいい」という理由で金沢P入りを希望していたそうですから、まさに相思相愛の入団となりました。

入団後はデビュー戦で、今まで数々の試合で煮湯を飲まされてきた松島輝空選手に勝利し、幸先の良いスタートを切りましたが、その後2連敗を喫しています。まだ徳田選手のTリーガー生活は始まったばかり。今後の飛躍に大いに期待しましょう。


徳田幹太(とくだ・かんた)
2004年12月16日愛媛県生まれ。野田学園中・高校を経て、現在早稲田大学在学中。2024年全日本大学総合卓球選手権大会男子シングルス優勝。2024-25シーズンより金沢Pに入団しTリーグ参戦。戦型は右シェークドライブ型で、どの位置からも強烈なショットが放てる。チキータも得意としている。


(文・江良与一)

 ナイス!(0
  コメント(0

 コメントを書く

コメントを入力するにはログインが必要です。

新着ニュース

Tリーグ 2024-2025

ノジマTリーグ2024-2025
【レギュラーシーズン】
チケット発売中

Tリーグ公式 デジタルトレーディングカード Tリーグデジタルカード

Tリーグ公式
デジタルトレーディングカード
『Tリーグデジタルカード』

Rebglo
T.LEAGUE 公式サイト