【ツギクルTリーガーの通信簿】ブロンズコレクターからの脱却、いまだ果たせず 横谷晟


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【ツギクルTリーガーの通信簿】ブロンズコレクターからの脱却、いまだ果たせず 横谷晟

今節のノジマTリーグ2024-25シーズン男子は一波乱ありました。昨年覇者の木下マイスター東京(以下KM東京)が、前節から通算して3連敗を喫した一方で、これまで今ひとつ調子が上がっていなかったT.T彩たまがKM東京、岡山リベッツ(以下岡山R)の二強撃破を含む3連勝を果たし、代わって3位に浮上したのです。首位岡山Rから4位KM東京までが勝利数差2の間にひしめく混戦模様となりました。このまま、シーズンの覇権の行方が最後までわからないような、白熱したリーグ戦を期待したいですね。


さて、今回の通信簿は、KM東京の主力選手としての飛躍が期待されている横谷晟(よこたに・じょう)選手にご登場いただきます。

横谷選手は現在愛知工業大学在学中で、Tリーグには2022-23シーズンから参加しています。そのシーズンの所属チームはKM東京で、シングルス、ダブルスともに1試合ずつに出場し、いずれも敗戦と「試運転」で終わってしまいました。

翌23-24シーズンには静岡ジェード(以下静岡J)からの誘いを受け、移籍。このシーズン4位と健闘した静岡Jでは、主力の役割を担うこととなり、ヴィクトリーマッチ2試合を含むシングルス14試合に出場。6勝8敗と負け越しはしましたが、確かな進歩の跡をうかがわせました。

そして、今シーズンからはKM東京に復帰しました。一回り大きくなったことを見込まれ、主力としての活躍を期待されての移籍でした。また、愛工大名電中、愛工大名電高校、愛知工業大学と、在学した学校のチームを全て団体優勝に導いている「勝ち運」をチームにもたらすことも期待されていました。

しかしながら、11月18日現在シングルス2勝2敗、ダブルスは1試合のみの出場で未勝利と、不本意なシーズンが続いています。横谷選手の伸び悩みに歩調を合わせるかのようにKM東京も調子を落とし、4位に転落しました。良きにつけ悪しきにつけ、チームに大きな影響を与える存在であるのは確かなようです。


Tリーグ以外の戦いに目を転じてみても、2024年1月の全日本卓球選手権大会男子シングルスではベスト16、同年10月の全日本大学総合卓球選手権大会男子シングルスではベスト8、KM東京のチームメイトでもある三木隼選手とのペアで挑んだダブルスで3位と、あと一歩のところで頂点に届きません。

岡野俊介選手と組んで出場したWTTフィーダーバラジュディン、三木隼選手と組んで出場したWTTフィーダーハルムスタッド両大会の男子ダブルスではいずれも3位と、脱却どころか、かえってその「ブロンズコレクター」ぶりを際立たせてしまう結果に終わりました。


横谷選手の戦型は右シェークドライブ型で、両ハンドどちらからでも強力なドライブを放ち続けられる点が彼の強みです。卓越した身体能力と、繊細なボールタッチを持ち合わせる横谷選手の潜在能力の高さは、卓球界ではよく知られており、その分期待も大きいのですが、残念ながら、その期待にじゅうぶんに応えているとは言えないのが現状です。


横谷選手は、大学1年時にドイツのブンデスリーガで武者修行に励んだ経験があります。その際に、負ければボロクソに叩かれるという環境の中で戦い、精神的なタフさを身につけたことにより、どん底からの復活を遂げました。現在逆境にあるKM東京を、もう一度首位に引き上げるような活躍を見せられれば、横谷選手自身が殻を打ち破る契機となるかもしれません。


横谷晟(よこたに・じょう)
2002年5月11日岐阜県生まれ。愛工大名電中学・高校を経て現在愛知工業大学在学中。3人兄妹の長男で、弟、妹ともに卓球選手。2022-23シーズンにKM東京に入団し、Tリーグ参戦。静岡Jへの移籍を経て、今シーズンよりKM東京に復帰。戦型は右シェークドライブ型で、優れた身体能力に裏打ちされた両ハンドからの強打が魅力。


(文・江良与一)

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