【ツギクルTリーガー】2度目のTリーグ参戦でリベンジを果たす!! 出雲美空
スポニティ
0
0
878
ノジマTリーグ2023-24は卓球アジア選手権やアジア競技会開催のために10月20日まで休戦中です。各大会での日本選手の活躍を願いながら再開を待つことにしましょう。
現時点で女子は日本生命レッドエルフと木下アビエル神奈川が頭ひとつ抜け出していますが、中断で気分を一新した下位チームが息を吹き返す可能性も十分にあり、リーグ戦再開後は、目が離せない試合が続きます。
今回はいまだ未勝利と苦戦中の京都カグヤライズ(以下京都KR)にあって、巻き返しのためには勝利を積み重ねることが必須とされる出雲美空選手を紹介いたします。
出雲選手は2001年7月に石川県で誕生しました。いわゆる「黄金世代」の1学年下に当たります。中学時代までは、レジェンド福原愛さんも所属していたミキハウスJSCで腕を磨き、高校は地元の強豪遊学館高校に進学。3年時のインターハイでは個人戦優勝を飾り、ポスト黄金世代の一番手に躍り出ました。
そして高校在学のまま2019-20シーズンに日本ペイントマレッツ(以下日本PM)に入団します。一気にエースとしての活躍を期待されての入団でした。
しかしながら「プロの壁」は予想以上に厚かったようです。シングルこそ2戦して2勝と健闘しましたが、ダブルスでは1勝5敗と出場試合数、勝利数ともに物足りない成績に終わってしまったのです。
しかもチームは翌年の契約を結ばないという決断を下しました。今まで順調に進んできた卓球人生で初めての挫折を味わうこととなったのです。
しかし、出雲選手はめげることはありませんでした。実業団チームのエクセディに活動の場を移し、虎視眈々とTリーグ復帰を目指して腕を磨き続けました。
努力の成果は徐々に出始め、2021年の日本リーグビッグトーナメントではベスト4に進出、またこの年は張本美和選手に勝利するなど「大物食い」の片鱗も見せるようになります。
2022年に実業団のサンリツに移籍すると、実力が開花します。チームを日本卓球リーグの前期・後期で連続優勝させると、自身は後期の最高殊勲選手に輝く活躍を見せたのです。そして2023年1月の全日本卓球選手権では世界ランク37位の実力者長﨑美柚選手を下してベスト8に進出したのです。
前回は「現役高校生Tリーガー」という話題先行型の参戦でしたが、実業団での3年間の修練を経て、確かな実力を身につけた2度目のTリーグ参戦では地に足をつけた戦いぶりで、必ずやポスト黄金世代に相応しい実績を見せつけてくれるはずです。
9月6日現在の成績はシングルスが0勝3敗、ダブルスが0勝1敗と残念ながら、まだ本領が発揮できていませんが、実力的には現在の女子選手の中でも屈指の存在であることは確かです。
ラケットのフォア側とバック側に異質のラバーを貼った「異質攻撃型」の出雲選手は、バックからクセ球で相手を崩し、チャンスボールが返ってくれば、フォアからの強烈なドライブで仕留めるというのがプレースタイルです。一皮も二皮も向けた出雲選手が京都KRを上位に引っ張り上げ、自身も日本代表に名乗りをあげる日を期待して応援していきましょう。
出雲美空(いずも・みくう)
2001年7月10日石川県生まれ。遊学館高校3年時のインターハイ女子位個人戦で優勝。2019-20シーズンは日本PMに所属。その後、実業団のエクセディ、サンリツでプレーを続け、2023-24シーズンから京都KRでTリーグに復帰。戦型は左シェーク異質攻撃型。
(文・江良与一)