【アナタの知らない卓球の世界】知っておきたい卓球界の闇!不正ラバー問題とは?
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今年は「ビックモーター不正疑惑」、「ジャニー氏による性犯罪」など多くの不正と言われる問題が取りざたされています。
「不正」
これは人類の歴史の中でも多くの負の遺産を残した、人間が逃れることができない悪しき習慣です。
もちろんスポーツ業界でもあり、いや名誉が得られるスポーツ業界だからこそ不正が行われていると言われています。
しかも近年では巧妙に隠蔽され、表だって出てこない状況になっています。
実際に卓球業界でも同じように、不正と思われる行為が行われています。
今回はその不正の温床となっている、「ラバー問題」についてお話していきます。
不正ラバー問題とは?
卓球の不正と言われれば、代表的な物として「不正ラバー問題」があげられます。
不正ラバー問題とは、通常のラバーに回転やスピードを上げるために「補強剤、接着剤」をラバーに塗る行為を指しています。
その効果は絶大で、使用すれば、打球音も変化し、また回転の度合いも以前よりも大きな変化をしていきます。
そのためITTF(国際卓球連盟)の規定により、「ラケット本体を覆うラバーというのは摩擦特性、外見、色、構造、表面との競技性能に物理的、化学的にその他の処理による変化修正をしてはならない」とあり、規定以外の商品を使用してはいけないのです。
もし使用した場合、罰則もあり、最悪出場停止などのペナルティも課されてしまいます。
不正ラバー問題の現状
ただし今の世界では、多くの選手がこの「不正ラバー」を使用して、卓球を行っています。
なぜならこの「不正ラバー問題」に関するルールには、大きな欠陥があるからです。
この不正ラバーですが、選手たちがラケットを取得した後に「後付け加工」を行う事は禁止されていますが、事前にメーカーや業者が選手の手に届ける前に「前付け加工」しておけば問題がないのです。
そのためメーカーとスポンサー契約をしている選手や、メーカーと仲の良い選手であれば、メーカーに塗ってもらうことで合法的に補助剤や接着剤が塗られたラバーを使用することができるのです。
現代では張本智和選手や、早田ひな選手等TOPプレーヤーの多くはメーカーと契約をされています。
もちろんいまあげた選手たちの中には、不正を行っていない選手も要ると思います。
ただここまでしっかりとしたルールの抜け穴がある以上、疑いの目を向けても仕方がない状態なのです。
改善のために
このルールはやはりメーカーと契約できた選手側に大きなメリットを生みだします。
しかもデメリットなく、メリットのみを享受できる為、メーカーと関係を「持つもの」と、「持たざる物」では、選手間に大きな格差を生み出します。
このようなちぐはぐなルールはすぐにでも国際卓球連盟(ITTF)に変更してもらえなければいけません。
ただこの問題は、「全面解禁するのか?」それとも「全面禁止するのか?」、有識者の中でも意見が割れると思います。
筆者も今は全面禁止論者でしたが、近年の卓球人気を考えると、全面解禁でもいいのではないかと考えが紆余曲折しています。
事実、全面解禁すれば、人体に問題がある「補強剤・接着剤」をどう扱うのか?の議論がありますし、また全面禁止にした場合には、メーカーを含めて監視体制をどうするのか等、双方共に問題は山積みです。
ただスポーツは平等な環境で「純粋な能力」の差で戦うことで、初めてスポーツの魅力を引き出します。
このままいけば卓球本来の魅力からかけ離れてしまう恐れがあります。
「格差をなくす」為にも、ぜひ早期解決を願うばかりです。
(文・富永陽介)