【ツギクルTリーガー】卓球界の二刀流 小塩悠菜


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【ツギクルTリーガー】卓球界の二刀流 小塩悠菜


今回はトップおとめピンポンズ名古屋(以下TOP名古屋)所属の中学生Tリーガー小塩悠菜(おじお・ゆうな)選手を紹介いたします。

小塩選手は2008年7月に岐阜県で誕生しました。3歳上に姉、遥菜さんがおり、遥菜さんもTOP名古屋に所属する高校生Tリーガーです。

小塩選手は、全日本選手権ベスト8の実績を持つ母、真弓さんと姉遥菜さんの影響で6歳から卓球を始めました。小学生時代は地元の卓研ジュニアに属して練習を積み、競技開始2年目で出場した全日本選手権バンビの部で、スーパー小学生として有名だった張本美和選手を破って優勝し、大いに注目を浴びることとなりました。

当時の小塩選手は卓球の他にボクシングにも打ち込むという異色の二刀流選手で、小学校4年生の時には27.5kgクラスで優勝もしています。卓球とボクシング、一見すると相反するスポーツのようですが、優れた動体視力と素早いステップワークが求められるところは共通しています。また対峙した相手に負けないという強いファイティングスピリットが何より大事だというところも共通していますね。小塩選手のメンタルを支えているのはボクシングで培ったファイティングスピリッツなのでしょう。

数々の大会で好成績を残した小学校卒業後は、神奈川の強豪星槎中学に入学、同時にJOCエリートアカデミーにも選抜されました。また2021-22シーズンからのTOP名古屋への入団も決まり、中学生Tリーガーとしての戦いもスタートさせました。

全日本選手権や数々の国際大会では好成績を残しているものの、世界屈指のレベルの高さを誇るTリーグの壁は予想以上に厚かったようで、2021-22シーズンはシングルスのみ2戦出場して2連敗、22-23シーズンは出場なしに終わりました。背番号を、2年間背負った1から7に替えて、心機一転臨んだ23-24シーズンも9月現在でまだ出場なしと苦闘が続いています。本人にとっても、上位進出、そして悲願の初優勝をめざすTOP名古屋にとっても現状は歯がゆいの一言でしょう。

小塩選手の戦型の特徴は、右ペンホールド速攻型とシェークカット型を自在に使い分ける、世界でも類を見ない「二刀流」であるところです。前陣ではペンホールドで速攻を仕掛け、中後陣ではシェークでカットボールを放つというのが、大まかな使い分けのようです。速攻で強烈なドライブが来るかと思えば、次には、どう弾むか予想がつかないカットボールが返ってくるというプレースタイルはまさに変幻自在。相手選手は一人で二人を相手にしているような錯覚に襲われるのではないでしょうか。なお、小塩選手は、ペンホールドとシェイクを瞬時に切り替えられるよう、独特な握りでラケットを持っています。観戦の機会があれば、ぜひグリップにもご注目ください。

身長は現時点でも160cmと女子選手としては長身ですが、成長期ゆえにまだまだ伸びる可能性は十分にあります。恵まれたフィジカルと、強いファイティングスピリットを持ち合わせ、世界で唯一の二刀流戦型を採る小塩選手は魅力満載。Tリーグでの飛躍はもとより、黄金世代の後継者として、世界と戦って勝つ資質は十分にあります。小塩選手が野球の二刀流、大谷翔平選手に負けないだけの活躍を見せ、卓球界の二刀流として世界に名を馳せる姿を期待して応援していきましょう。

小塩悠菜(おじお・ゆうな)
2008年7月5日岐阜県生まれ。現在星槎中学在学中でJOCエリートアカデミーにも所属。2021-22シーズンよりTOP名古屋に入団し現在も在籍中。2023年全日本卓球選手権大会ジュニアの部シングルスで準優勝。戦型は右ペンホールド速攻型とシェークカット型を自在に使い分ける、唯一無二の二刀流。


(文・江良与一)

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