【ツギクルTリーガー】張本を凌ぐサラブレッドの本領発揮なるか? 濵田一輝


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【ツギクルTリーガー】張本を凌ぐサラブレッドの本領発揮なるか? 濵田一輝


今回は張本智和選手と同じ歳で、早稲田大学でも琉球アスティーダ(以下琉球A)でもチームメイトである濵田一輝(はまだ・かずき)選手を紹介いたします。

濵田選手は2003年9月に高知県で誕生しました。祖父は全日本学生卓球選手権大会3位に入ったことのある濵田(旧姓阿部)慎吾さん、祖母は1973年世界選手権女子ダブルス優勝の濵田美穂さん、父親は1993年に全日本ジュニアで優勝した濵田(旧姓村上)裕和さん、母は裕和さんとペアを組んだ1997年の全日本選手権混合ダブルスで準優勝した華奈子さんである上、弟の尚人さんも2022年のインターハイ個人戦でベスト32に進出した実績を持つという世にも稀な卓球名門一家の長男です。

小学校時代から、人気と実力を兼ね備え得た存在であった濵田選手は、地元で卓球をやりたいと、高知大附属中学に進学し、2016年に全日本カデット13歳以下男子シングルスでは優勝を飾りました。このまま地元で腕を磨いていくのかと思わせましたが、より卓球に専念できる環境を求めて中学2年時には愛知県の強豪愛工大名電中学に転校します。この転身は奏功し、国内外の大会で数々の好成績を修め、「この親にしてこの子あり」を証明しました。内部進学した愛工大名電高校ではさらに実力を開花させ、全国大会の上位常連となりました。そして2021年には全日本選手権ジュニアの部で優勝を果たします。数々の有名選手を撃破しまくっての優勝で、同学年の張本智和選手のライバルと目されるようになりました。また2021年には、シーズン途中からではありますが、琉球Aに入団し、高校生Tリーガーとしてデビューを果たすと、シングルスのみ7試合に出場して3勝4敗とまずまずの成績を残しました。翌2022-23シーズンはTリーグの水にも慣れたであろうと予想され、大きな飛躍が期待されましたが、やはりシングルスのみの出場で4勝5敗と期待を裏切る結果となりました。これは高校卒業後に進学した早稲田大学の卓球部との兼ね合いもあったようです。早稲田大学では1年生ながら堂々のレギュラーを勝ち取り、各種の大会で主力として大活躍し、全日本学生学生卓球選手権大会ダブルスで優勝するなどの実績を残していました。さしものサラブレッドも、大学の卓球部とTリーグの二刀流には苦戦しているようです。今シーズンのTリーグではまだ一試合の出場しかなく、勝ち星もありません。

濵田選手の戦型は数多くの選手が採用している、右シェークドライブ型でラバーはフォア、バックともに裏です。したがって何かプレー上で大きな特徴がないと、今後も苦しい戦いが続いていくことが予想されます。
実は、濵田選手にはちゃんとした武器があります。ひとつはサーブで、短い距離のサーブであっても長い距離のサーブであっても、ほぼ打点の高さが同じというユニークなもの。レシーバーとしてはボールのバウンドの角度が読みづらく、イージーなボールを返さざるを得ない場面が多いようです。
もう一つは俊敏なフットワーク。バック側にきたボールに対し、素早く回り込んでフォアで強打したり、逆にフォア側への返球をバックで返すフットワークを見せることもあるそうです。こうしたプレーはよほど身体能力に恵まれていないとできないはずです。
素質十分の濵田選手が一つ殻を破って、「張本選手の同級生」という枕詞が取れるような存在になれば、打倒中国も夢ではなくなります。濵田選手には大いに期待したいですね。

濵田一輝(はまだ・かずき)
2003年9月12日高知県生まれ。愛工大名電中学・高校を経て現在早稲田大学在学中。2021-22シーズンより琉球Aに入団し、ライバルである張本選手と僚友になった。線型は右シェークドライブ型だが、打点の高さを変えずに長短ふたつのサーブを打ち分ける器用さと、卓越したフットワークが武器。


(文・江良与一)

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