【今さら聞けない卓球用語】中国が今最も警戒する張本美和選手について解説!
スポニティ
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スポニティによる週次連載記事の第20回、今回は先日のアジア競技大会で中国を震撼させた張本美和選手の強さについて解説していきます。
伊藤美誠に代わる新たな脅威か
先日の中国杭州にて行われたアジア競技大会で、張本美和選手の活躍に中国メディアから称賛と警戒心を露わにする声が溢れています。
オリンピックで4つの金メダルを獲得するなど、中国の女子卓球界のレジェンドである鄧亜萍(とう あひょう)氏は、中国版SNS「微博(ウェイボー)」にて、「張本について真剣に研究すべきだ。(中略)中国にとっては必ず衝撃となる」などとコメントしています。
また、中国メディア「新浪新聞」も、「張本美和、打ち負かされるも全会場に衝撃を与える!伊藤美誠にかわって中国卓球の新たな脅威になるか」との特集記事内で、「試合には負けたが、彼女はわずか15歳ながら、アジア大会で自分の実力と潜在力を見せたのだ」と評しています。
また女子ダブルスで優勝候補の孫穎莎、王曼昱組を破ると、「北京青年報」は「孫頴莎、王曼昱が大番狂わせで敗退 中国卓球は張本美和を警戒すべし」との記事で、「今回の敗戦は中国卓球に注意喚起を促すものとなった。張本美和は中国チームにとって、来年のパリ五輪における潜在的強敵の一人だということができよう」と報じました。
なぜ張本美和選手は脅威に思われているのか
脅威ポイント①サーブ
張本選手は主に逆回転の巻き込みサーブを使うことが多いですが、このサーブはチキータをしにくく、また色々なところからサーブを出すので、コースも読みにくく、相手からするとなかなかレシーブで先手を取りにくいでしょう。また決定力のある3球目攻撃を持っている点も、相手のレシーブを消極的にさせる要因の一つです。
脅威ポイント②パワー
近年では、女子でも男子のようなパワードライブを打つことは中国選手の特徴ですが、張本選手は体格にも恵まれており、パワーの面で中国選手に引けを取りません。3球目攻撃を含め両ハンドのドライブの決定力や、ラリー戦になっても中国選手に力負けせず打ち合うことができます。
脅威ポイント③年齢
何よりの脅威は、張本選手がまだ15歳であるということです。単純にこれからもっと身長が伸びたり筋力がつけば、よりパワーが増すことが期待されますが、それだけでなく、今回の中国選手の中には10代の選手は一人もいません。これが何を意味しているのかというと、日本のほうが選手層内での新陳代謝が活発化しているということです。
伊藤、平野、早田だけでなく、その後ろにも有望な選手が何人も控えているとなると、今は勝てても将来いつか日本に追い抜かれてしまうのでは、その危機感が中国にあるのです。ですから、鄧亜萍氏は先記のように今から釘を刺しているわけです。
課題は
非常に攻撃的な卓球のため、難しいボールや相手に攻撃されたボールでも無理をして攻撃してしまうことがあります。難しいボールや相手に攻められた時はブロックでしっかり粘って、打てるボールがきたときにカウンターをしたり、攻め込むようにすると、よりプレー全体の安定感が増すでしょう。
皆さまの意見も是非コメント欄にてお聞かせください。
文:干場卓哉(ホシバタクヤ)