【ツギクルTリーガー】「卓球天才少女」の後継者として大きくはばたく 松島美空


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【ツギクルTリーガー】「卓球天才少女」の後継者として大きくはばたく 松島美空


アジア競技大会などの影響で中断されていたTリーグは今週末10月20日(金)からいよいよ再開されます。アジア競技大会の戦績を手に凱旋する選手たちを、中断期間中に牙を研いでいた「居残り組」のTリーガーたちがどう迎え撃つのか今から楽しみですね。

今回は2013年6月生まれで10歳になったばかりの現役小学生Tリーガー、松島美空(まつしま・みく)選手を紹介いたします。

松島選手は京都府で、実業団の卓球選手だった両親の下に4人兄妹の長女(第三子)として誕生しました。長兄輝空(そら)さんは現役高校生Tリーガー、次兄の翔空(とあ)さんはジュニア世代の有望選手、妹の愛空(あいら)さんは2023年の全日本選手権バンビの部準優勝という「日本最強の4兄妹」の一員です。
3歳からラケットを握り始めた松島選手は、2018年、5歳の時に早くも全日本選手権バンビの部に初出場。そして2021年のバンビの部で優勝すると、2022-23シーズンから京都市立竹田小学校在学のまま京都カグヤライズ(以下京都KL)に入団しTリーグに参戦します。当時9歳でのTリーグ参戦はもちろん史上最年少。世間からは「元祖卓球天才少女」のレジェンド福原愛さんの後継者として知られるようになり、卓球関係者やファンからは「黄金世代の次の次」を担う選手として熱い期待を寄せられる存在になりました。

ただし、さすがにプロの壁は厚く、22-23シーズンはシングルス4戦に出場して勝ち星なし。そんな中でも「先代最年少Tリーガー」(10歳でTリーグ参戦)の張本美和選手(木下アビエル神奈川)との対戦では一時リードを奪うなどの健闘をみせました。また、東京オリンピックの混合ダブルスで銅メダルを獲得したチェンイーチン選手からも1ゲームを奪いました。結果的に出場最終戦となった安藤みなみ選手(トップおとめピンポンズ名古屋)との対戦では2ゲームを先取し、Tリーグ最年少勝利まであと一歩というところまで行きましたが、最終的には3ゲームを取り返されて逆転負け。残念な結果に終わったシーズンでしたが、爪痕はしっかり残せたといったところでしょうか。

今シーズンはまだ出場機会がありませんが、そう遠くない未来に、松島選手がTリーグ史上最年少勝利記録を樹立、というニュースを耳にする機会が訪れるのではないかと思われます。

松島選手の戦型は左シェークドライブ型。小刻みに素早く動けるフットワークと、フォアからもバックからも、安定した威力あるドライブを放てることが特徴です。同時に年上の選手を相手にしても一歩も引かない精神力の強さに裏打ちされた粘り強さも松島選手の身上です。現時点ではお姉さん選手たちのパワーに押されることの多い松島選手ですが、そのパワーをしのぎ、粘ることで競り合いに持ち込めるだけのテクニックが自然に身についていることは想像に難くありません。そのテクニックに、相手の強打に力負けしないだけのパワーが伴ったら、と考えると、空恐ろしいほどの強さに成長することが期待できます。何かと話題が先行しがちな小学生Tリーガー松島選手ですが、選手としての伸びしろも、無限大だといっても過言ではありません。松島選手が実力と実績で世間を唸らせる姿を期待して応援していきましょう。


松島美空(まつしま・みく)
2013年6月24日京都府生まれ。現在京都市立竹田小学校在学中。2021年全日本選手権バンビの部、2022年同カブの部で優勝。2022‐23シーズンより京都KLに入団して史上最年少Tリーガーとなる。プレースタイルは左シェークドライブ型で、素早いフットワークと、粘り強いラリーが特徴。


(文・江良与一)

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