【アナタの知らない卓球の世界】卓球の神と呼ばれた男!スウェーデンの異才ワルドナーを徹底解説


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【アナタの知らない卓球の世界】卓球の神と呼ばれた男!スウェーデンの異才ワルドナーを徹底解説


バスケ界のマイケル・ジョーダンのように、そしてサッカー界のペレのよう、かつて卓球界にも「神様」と呼ばれた選手がいた。

その洗練されたプレーは見るものすべてを魅了し、多くの観客を魅惑の世界へと誘う。

今回は卓球界のレジェンド、「ヤン=オベ・ワルドナー」選手についてご紹介します。


ワルドナーの経歴
ワルドナーは1965年10月3日、スウェーデンのストックホルムで誕生しました。

彼が卓球を始めたのは6歳の頃、地元の卓球チームに入団したことがキッカケと言われています。

卓球を始めてすぐに頭角を現し、16歳の時に出場したヨーロッパ選手権で決勝まで進み、翌年に開催された世界選手権では団体戦にてスウェーデン代表を見事準優勝まで導いています。

また個人でも1987年の世界選手権ニューデリー大会では初めてシングルスで決勝に進出し、2年後の世界選手権ドルトムント大会では、決勝戦で同じスウェーデン人選手のヨルゲン・パーソンとの対決を制しシングルス初優勝を果たしています。

その後も継続してTOPプレーヤーとして、世界選手権では金メダル6個を含む合計16個のメダルを、オリンピックでは金メダル1個(1992年バルセロナ五輪)、銀メダル1個(2000年シドニー五輪)を獲得しました。
彼以降に、世界選手権シングルスとオリンピックシングルスの両方で金メダルを獲得した選手は、中国籍選手を除けば現れておらず、この結果を見ても彼の偉大さが伝わってくるのではないでしょうか。

また彼の人気は国内外幅広く、国内ではワルドナーの試合を国王夫妻が観戦されるほど人気をはくし、国外では卓球王国中国でも代表選手の高い壁として、圧倒的人気を誇っていました。

2006年の世界選手権ブレーメン大会を最後に、スウェーデンのナショナルチームを外れてからもクラブで現役を続けていたワルドナー選手は、50歳となる2016年に惜しまれつつ現役を引退しました。


ワルドナーのプレースタイル
ワルドナーの戦型は、右シェークハンド両面裏ソフトラバーのドライブ型と言われています。

そのスタイルはしばしば、オールラウンドプレイヤーとされ、台の前に張り付いても、台から下げられても、常に自らがペースを握り、その圧倒的な落ち着きから相手の動きを予見したかのようなプレーを可能にしました。時に見るものを驚嘆させ、その天才的な戦いを目の当たりにしたファンが彼のプレーを「ワルドナータイム」と称することさえあったほどでした。

実際に元中国代表の蔡振華監督は、「他のスウェーデン選手は分析が出来たが、ワルドナーは分析しきれなかった。いつも自在にプレースタイルを変えていくからだ」と語っています。

そんな彼の特徴がいかんなく発揮された試合の一つが、蔡振2000年世界卓球男子団体決勝戦でしょう。下馬評では圧倒的不利とされていた劉国梁戦で、その状況を打破しワルドナーが勝利した試合です。

劉国梁相手に相手の土俵で打ち合いを行い、それを制する様はまるで絵画のような美しさすらありました。
ワルドナーの素晴らしいプレーを堪能できる試合ですので、ご興味の方はぜひ一度検索して見てみてください。


最後に
ここまでワルドナー選手について紹介してきました。
彼の活躍によって、「ワルドナーのようだ」と非凡なプレーヤーをほめたたえる比喩も生まれ、実際に日本でも、丹羽孝希選手のように天才的なプレーを見せる選手に対して、その賞賛フレーズが使われていました。

彼はそれだけ次元が違っていたのです。

人を魅了するプレーをし続けた彼の偉業を、語り続けたいと思うのは私だけではないはずです。


(文・富永陽介)

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