【ツギクルTリーガー】伸び盛りの女子高生カットマン 山室早矢


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【ツギクルTリーガー】伸び盛りの女子高生カットマン 山室早矢


中国卓球界と日本卓球界とのトラブルで、中国人選手が全て帰国してしまうなど試合以外の部分で注目を集めてしまったTリーグ。せっかくのリーグ再開に水をさす出来事でしたが、この悪い意味での注目度の高さを逆手にとり、日本人選手が頑張って熱戦を繰り広げれば、かえってTリーグの人気は高まるはずです。災い転じて福となす。より一層の熱戦を期待しましょう。

さて、今回は2023-24シーズンから九州アスティーダ(以下九州A)に入団した山室早矢(やまむろ・さや)選手を紹介いたします。
山室選手は2007年10月に熊本県で誕生。地元熊本で卓球界のレジェンド松下浩二氏が主宰する、まつしたスポーツのジュニア部門のクラブチーム「城下ひのくにジュニア」に5歳から入門します。主宰者でもありコーチも務める松下氏は現役時代、世界でもトップクラスのカットマンとして名を馳せた人物です。山室選手はその松下コーチから小学校3年生の時にカットマンへの転向を勧められ、それ以来カットマンとしての修練を積んできました。
地元の熊本市立三和中学校在学時代から、早くも大人達に混ざって全日本選手権の熊本県予選に出場し、3年時には見事優勝を果たすなど文字通り敵なしの強さを誇っていた山室選手は、より良い練習環境を求めて愛知県の強豪桜丘高校に進学します。同校は松下浩二氏の母校でもあります。カットマンとして世界の高みに達するため師と同じ道を歩み始めたといったところでしょうか。そして、高校入学と同時に九州Aに入団し、Tリーガーとしても歩み始めることとなりました。
桜丘高校入学後に出場した、2023年の全日本卓球選手権大会では女子ジュニアの部ベスト8に終わりましたが、8月末に行われたWTTユースコンテンダーオトチェツ大会のU17の部で優勝し、一躍世界のトップに躍り出ました。
Tリーグにおいては8月5日のチーム開幕戦となる強豪日本生命レッドエルフ戦に同じカットマンである牛嶋星羅選手と「10歳差」ペアを組んでダブルスで出場。笹尾明日香麻生麗名ペアに快勝し、初出場初勝利という快挙を成し遂げました。次の出場は大分間が空いて10月28日のトップおとめピンポンズ名古屋戦でしたが、シングルスで出場したこの試合は女子高生Tリーガーの先輩、小塩遥菜選手に敗れ、ほろ苦い「Tリーグの洗礼」を浴びました。11月1日時点での出場はまだこの二試合のみですが、今後出番はどんどん増えていきそうですね。

現在の日本人選手の中では希少なカットマンで、山室選手の成長は、今後の日本代表選手団のセレクションや、団体戦の戦略などに大きな影響を与える可能性があります。山室選手が持ち前の粘り強さにさらに磨きをかけ、常にエースを狙える強烈なサーブを身につければ、国際試合での活躍も大いに期待できます。日本卓球界におけるカットマンの草分けとも言える松下浩二氏の薫陶を、幼い頃から受けてきた山室選手がどこまでのカットマンに成長していくのか。大きな期待を持って応援していきましょう。


山室早矢(やまむろ・さや)
2007年10月7日神奈川県生まれ。現在桜丘高校在在学中。2023年全日本卓球選手権大会女子ジュニアの部シングルスベスト8。2023年WTTユースコンテンダーオトチェツ大会U17優勝。2023-24シーズンより九州Aに入団。戦型は右シェークカット型で、粘り強さには定評がある。


(文・江良与一)

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