【ツギクルTリーガー】いよいよ「大人の戦い」に参戦するジュニアチャンピオン 萩原啓至


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【ツギクルTリーガー】いよいよ「大人の戦い」に参戦するジュニアチャンピオン 萩原啓至


Tリーグからの中国人選手の引き上げ騒動は、長引くことなく解決したようで、帰国していた選手達は五月雨式に日本に戻ってくるようです。急転直下と言って良いほどのドタバタぶりですが、「大人の事情」など関係ない熱戦を選手達には期待しましょう。

さて、今回は2023-24シーズンから木下マイスター東京(以下KM東京)に入団した萩原啓至(はぎわら・けいし)選手を紹介いたします。

萩原選手は2005年11月に岡山県で誕生しました。地元岡山の名門クラブ「ねや卓球クラブ」で卓球を開始し、数々の全国大会で好成績を修めた小学生時代を経て、愛知の名門愛工大名電中学に進学、高校もそのまま愛工大名電高校に進みます。全国から集まってくる俊英たちと高いレベルで切磋琢磨することもさることながら、この時期の萩原選手はウエイトトレーニングに精力的に取り組んだそうです。その積み重ねが体幹の強さに繋がり、ショットの強度が増しました。のみならず、試合終盤になっても運動量が落ちないフィットネスも蓄えることができました。さらにその強靭なフィットネスは逆境にあっても挫けない強いメンタルの生成にも寄与したようです。

メンタル面の向上の程は2023年の全日本選手権ジュニアの部決勝で松島輝空選手(KM東京)との大接戦を制して優勝を飾った際のインタビューに表れています。萩原選手は「『自分のやるべきことをやる』ということを第一にしました。監督のアドバイスや自分の考えをまず一番にして、優勝とか決勝戦だということは全く考えないようにしていました」との言葉を残しました。平常心の大切さはわかっていても、特別な場面で平常心を失わないというのは至難の業です。日頃の修練の成果がよくわかる一言でした。

2023年はまたインターハイでの活躍も目立ちました。学校対抗で愛工大名電を優勝に導くとともに、ダブルスでも優勝。シングルスでは以前に紹介した三木隼選手(野田学園高校・静岡ジェード)に惜しくも敗れて準優勝に終わりましたが、同世代のトップランナーと言って良い実績を残しました。11月8日現在、まだ萩原選手は試合に出場していません(三木選手は2試合出場)が、この両雄は今後のTリーグでの「大人の戦い」で、度々激突することとなるでしょう。そして彼らが紡ぎ出すライバル物語はTリーグを熱く彩るものとなるはずです。

萩原選手の戦型は左シェークドライブ型で、体幹の強さを存分に活かした、強烈なドライブを、連続して放ち続けられることが最大の特長です。特にフォアからのドライブは得点の決定打となることが多いです。反面、バックハンドからのショットに関しては課題があると感じてもいるようです。KM東京でのレギュラー獲得、そして国際大会で活躍するために、バックハンドの技術を磨くことを至上命題として修練を積むことを明言しています。理想とする選手は、フォアからもバックからも強打を繰り出せる中国の王楚欽選手(10月23日現在世界ランキング2位)。萩原選手が、フォアからもバックからも自在に強打を繰り出すことができるようになれば、Tリーグでの活躍はもとより、世界ランキングでも上位に進出する可能性は大いにあります。強力なライバル達の中で萩原選手がどのように成長していくか、期待して応援していきましょう。


萩原啓至(はぎわら・けいし)
2005年11月3日岡山県生まれ。現在愛工大名電高校在学中。2023年全日本卓球選手権大会男子ジュニアの部優勝。2023年インターハイ男子団体優勝、ダブルス優勝、シングルス準優勝。2023-24シーズンよりKM東京に入団。戦型は左シェークドライブ型で、筋トレで鍛え上げた体から繰り出されるドライブは強烈。


(文・江良与一)

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