【ツギクルTリーガー】卓球版「虎の穴」で修行中 牧野美玲


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ノジマTリーグの2023-24シーズンは男女とも年明けまでの一休みに入っています。女子は木下アビエル神奈川(以下KA神奈川)が、2位日本生命レッドエルフに5点の勝ち点差をつけて首位に立ち、2連覇に向け、一歩リードしています。シーズン終盤に向け、覇権を争う両チームのみならず、下位チームの巻き返しでリーグの戦いが白熱化することを期待しましょう。

さて、今回は首位KA神奈川のホープ・牧野美玲(まきの・みれい)選手を紹介します。牧野選手は2009年3月に静岡県で誕生しました。5歳くらいから、4歳上の姉の影響でラケットを握り始めます。当初は、遊び感覚だったそうですが、いつの間にか同年代の静岡県2位になっていたそうです。素質の高さを感じさせるエピソードです。小学校2年生の時に地元の三保卓球場に入団。入団に際し「楽しく続けるのか? 強くなりたいのか?」と問われた牧野選手は「負けると楽しくないから」という理由で「強くなること」を選択し、本格的に卓球に取り組むこととなりました。卓球開始当初から小手先の技術ではなく、高度なフットワークで勝負してきたという素質の高さに加え、生来の負けず嫌いで、勝つために練習に打ち込んだ結果、小学生以下のホープス日本代表入りを果たすほどに成長しました。

中学は地元の清水第5中学に進学し、同時にKA神奈川に入団しました。KA神奈川でのデビュー戦は同じ歳の張本美和選手と「中学1年生ペア」を組んでのダブルス。残念ながら勝利はなりませんでしたが、近い将来、国際試合で同じペアが躍動する姿を見られるかもしれません。2年生からはより良い環境を求めて横浜の強豪校星槎中学校に転校、現在も同校に在学中です。同時にKA神奈川のジュニア選手育成機関である「木下アカデミー」でも修練を積む日々が始まりました。同アカデミーには張本美和選手をはじめKA神奈川のチームメイトである櫻井花選手など全国から選抜された有望な選手が多数在籍しており、卓球版「虎の穴」とでもいうべき機関です。優れたコーチの下で、勝つことに必要な技術を習得できるアドバンテージもさることながら、多数のライバルたちに囲まれ、持ち前の負けん気の火を絶やさずに燃え盛らせておけることが牧野選手にとっては最大のメリットでしょう。

牧野選手の戦型はオーソドックスな右シェークドライブ型ですが、コースへの揺さぶりを苦にしない卓越したフットワークと負けん気に裏打ちされた「打ち負けしない」ラリーが最大の特色。強烈な縦回転をかけたドライブショットも魅力的です。身長は現時点で160cmとすでに女子選手としては大柄な方ですが、成長期ゆえまだまだ伸びそうです。心技体の全てにおいて、強くなる要素はしっかりとそろっています。しかしながら、Tリーグでは3シーズンのシングルス・ダブルス通算で1勝3敗と苦戦中、また2023年の全国中学校卓球大会では個人戦準優勝と頂点にあと一歩届かずの歯がゆい状態が続いています。Tリーグの強豪選手たちの試合運びや練習方法などを間近で見て学ぶこと、近い年代の選手たちと切磋琢磨すること、そして何より卓球界の新女王としての歩みを確かなものにしつつある張本選手と数多くの練習をこなすことが、牧野選手の飛躍につながることでしょう。牧野選手の成長はまた、彼女の世代を新しい「黄金世代」へと発展させることにもつながります。牧野選手がTリーグで、そして日本代表の主力として活躍する姿を期待して応援していきましょう。


牧野美玲(まきの・みれい)
2009年3月15日静岡県生まれ。小学校2年生の時に三保卓球場で本格的に卓球を開始。中学2年時より星槎中学校に転校し、2022年度全日本選手権大会カデットの部14歳以下シングルスベスト8、2023年全国中学校卓球大会個人戦準優勝と団体戦優勝。戦型は右シェークドライブ型で、卓越したフットワークと強烈な縦回転のドライブが魅力。


(文・江良与一)

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