今週はTリーグの試合予定がありません。というわけで、後半戦の注目選手をライター独自の視点から2名ピックアップしました。是非予想スタジアムの参考にしてください。


【男子】

于子洋（ユウジヤン）

ユウジヤン選手は現在25歳、左利きのシェークで両面裏ソフトラバーを使用しています。過去には2014年ジャパンオープンシングルス決勝で水谷隼を破って優勝するなどして、世界ランクも最高20位（2015年）を記録しています。

近年では、18年Ｗ杯団体戦で優勝メンバーになったり、2023年1月のWTTコンテンダードーハ大会では男子ダブルスで優勝をしています。

琉球アスティーダには先月登録が完了されたばかりですが、ユウジヤン選手に注目する理由は、他でもなくチームの連覇達成に非常に重要な選手だからです。

今季、琉球アスティーダはシーズン開始前からシュウユウ選手、ジョシンコウ選手と契約をし、連覇に向けて磐石な体制を整えているように見えましたが、いざ始まってみると一つだけ問題点が浮かび上がってきました。

それは、ダブルスです。

琉球アスティーダはなかなか安定して勝ち星を重ねられるエースペアを作ることができず、前半戦だけで作ったペアの数はなんと7ペア。

2015年の世界選手権男子ダブルスで準優勝したシュウユウ選手ですが、なかなか決まったパートナーを作ることができず、これが琉球アスティーダのネックでした。

そこで、シュウユウ選手に代わって琉球アスティーダのダブルスのエースになることを期待されているのが、ユウジヤン選手です。

ユウジヤン選手はダブルスに有利な左利きですし、何より直近の国際大会での実績もあります。

昨シーズンのプレーオフファイナルでは、吉村真晴・吉村和弘ペアがダブルスで相手のエースである大島祐哉・篠塚大登ペアに勝利したことが優勝の大きなポイントとなりました。

その経験から、琉球アスティーダは何とかしてプレーオフまでにエースペアを確立させたいはずです。

ユウジヤン選手がその期待に応えられるのか、これが後半戦の大きな見どころでしょう。


【女子】

范思琦（ハンシキ）

ハンシキ選手は現在25歳、右利きのシェーク両面裏ソフトラバーです。直近の試合では2023年WTTコンテンダードーハ大会で女子シングルス優勝をはたすなど、国際大会で活躍し世界ランクをグングン伸ばしてきている選手です。

こちらも、女子の優勝チームを決めるキーマンとなるであろうことが、本稿でのピックアップの理由です。

昨シーズンのプレーオフファイナルでは5番で伊藤美誠が敗れてしまいましたが、やはり1セットマッチでは何が起こるかわからず、誰を出場させても予測しづらいのが正直なところです。

日本生命レッドエルフとしては、ダブルスやシングルスで仮に誰か1点落としたとしても、早田ひな、伊藤美誠とあともう一人で少なくとも4番までで決めたいと考えているはず。

そこで、早田ひな、伊藤美誠に続く3番手のハンシキ選手が、女子優勝チームを決める一戦での行方を占う存在になるという可能性が考えられるわけです。

伊藤美誠のような表ソフトとフォアのミート打ちを戦型とする野村萌に敗れるなど、初めて対戦する日本選手に苦戦している部分もあるようですが、今後同選手がどのようにTリーグに適応し、実力をいかんなく発揮できるようになっていくのか、これが女子の後半戦の大きな注目ポイントでしょう。


(文・干場卓哉)


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