【ツギクルTリーガー】まずはダブルスで実績を残したい 首藤成美


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【ツギクルTリーガー】まずはダブルスで実績を残したい 首藤成美


Tリーグの2023-24シーズン女子は首位木下アビエル神奈川を2位日本生命レッドエルフ(日生RE)が勝ち点差2でぴたりと追走するマッチレースが続いており、3位以下のチームとはやや開きが生じてきてしまいました。シーズン後半に向け、現在下位に甘んじているチームの奮起を期待しましょう。


さて、今回は今シーズン未勝利と苦戦が続く九州アスティーダ(以下九州A)のホープ・首藤成美(しゅどう・なるみ)選手を紹介いたします。首藤選手は2006年1月に福岡県で誕生しました。小学生時代に地元の名門クラブチーム、石田卓球クラブで卓球人生を歩み始めました。2019年の全日本選手権カデットの部で小塩悠菜選手(トップおとめピンポンズ名古屋)と組んだダブルスで優勝。同時に14歳以下の部女子シングルスで3位に入り、世代のトップ選手として一躍注目を浴びることとなります。高校は日本のエース早田ひな選手(日生RE)をOGに持つ地元福岡の強豪、希望ヶ丘高校へ進学。福岡県内では敵なしで、全国大会でも常に上位に食い込む実力をもった同高への進学は、首藤選手のプレーヤーとしての実力を大いに高めることとなりました。同時に、主将に任命されたことで、個人だけではなく、チームとして勝利するために何をすべきかを考える、リーダーシップを培うことにも繋がりました。

Tリーグには現役女子高生のまま2022-23シーズンから参戦しました。地元密着を標榜する九州Aにとっては、高校まで福岡一筋の首藤選手は九州のファンの期待と声援を一身に集めるのにピッタリの存在です。また、2022-23シーズンはチーム唯一の左利きとして、右利きの選手とのダブルスパートナーとしての役割を期待されての入団でもありました。

しかし、Tリーグの現実は厳しいものでした。シングルスは一試合のみの出場で敗戦。活躍が期待されたダブルスでも1勝3敗と期待を大きく裏切る結果しか残せませんでした。2023-24シーズンも苦杯続きのチーム状況の中、12月13日現在の成績はダブルスのみ5試合に出場して1勝4敗と「大活躍」とはお世辞にも呼べない成績のままです。ただし、前シーズンから左利きの選手が2名増え、チーム内での争いがより厳しくなった中で、昨シーズンよりも出場機会を増やしていることは、首藤選手へのチームの期待を示すとともに、スピードは決して速くはないものの、着実に成長していることが認められた証左でしょう。強豪校の主将として育んだリーダーシップの発揮も期待されていると思われます。

首藤選手の戦型は左シェークドライブ型。身長は149cmと大型化が進む女子選手の中では小柄な部類に入りますが、その分俊敏なステップワークを駆使することが可能です。またフォアからもバックからもキレの鋭いドライブを連打できるという特徴もあります。強者揃いのTリーグにあっては、まだまだ力不足の感は否めませんが、まずはダブルスの一員として出場機会を増やし、より多くの修羅場を経験して実力をつけていくことが飛躍につながります。そして首藤選手の飛躍はそのまま九州Aの躍進を呼ぶことにもなります。シーズン後半から終盤戦に向け、首藤選手が一つでも多くの勝利を手にすること、そして九州Aが上位チームを倒す姿を期待して応援していきましょう。


首藤成美(しゅどう・なるみ)
2006年1月21日福岡県生まれ。石田卓球クラブで卓球を開始し、2019年の全日本選手権カデットの部女子ダブルス優勝、14歳以下の部シングルス3位。2022年全日本選手権混合ダブルスベスト16、 ジュニア女子ベスト8。現在希望ヶ丘高校在学中。2022-23シーズンより九州A所属。戦型は左シェークドライブ型で、キレのあるドライブの連打が持ち味。


(文・江良与一)

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