今週もTリーグはひと休み。先週に引き続き、スポニティ卓球公式サイトのデータ活用術について、今週は女子編をお届けしていきます。是非予想スタジアムの参考にしてください。


サービスエース・サーブ時ポイント獲得率

Tリーグの試合を予想する上での、この指標の重要性は前回の記事で説明した通りです。特にラリーになることが多い女子においては、明確な得点源になる武器や特徴を持っている選手のほうが競った場面で強い傾向があります。なぜなら、その瞬間に対戦相手より「何をすべきかが明確」だからです。

例えば、サーブ時得点率でトップにいる平野美宇選手、張本美和選手、横井咲桜選手、これらの選手はみな、巻き込みサーブを多用します。このサーブは相手がチキータをしにくいため、相手のレシーブが限定的になり、その後の3球目攻撃やそれ以降の展開につなげやすいのです。

ダブルスにおいても、群を抜くサービスエース数と、サーブ時得点率でも2位につけている南波侑里香選手は、投げ上げサーブを使います。これは女子や男子でも使う選手はあまり多くないため、相手がタイミングを合わせにくいということもあっての戦術でしょう。また落下の勢いを利用してボールに回転やスピードを与えるため、サーブ自体の威力もあります。

このような他の選手にはないユニークな特徴や独自の武器を持った選手は、よりプレッシャーのかかる試合や、1セットマッチやデュースなどでその強みを発揮します。どちらが勝つかわからない展開が見込まれるような試合は、この指標を参考にすると予想が当たる可能性が高まるでしょう。


ゲーム平均失点数

この指標は、要するに1ゲームあたり「どれだけ相手に点を与えたか」を示すものです。

この数値に関しては、失点数の少ない選手より、むしろ多い選手に注目しようと思います。例えば、安藤みなみ選手は平均失点数の多さの割には、勝利数で2位にいます。このことから、安藤みなみ選手はかなり接戦に強く、粘り強い選手だと想像できます。

これからTリーグも終盤戦にさしかかり、僅差の戦いが増えてくると思われます。今からそのような接戦に強い選手を探してピックアップしておくのも面白いでしょう。


勝率

男子編同様、マッチ出場数に対する勝率で、求められたときに勝てる選手なのかどうかを見極めていきます。

例えば、ダブルスにおけるソンイジェン選手のマッチ出場数は1位タイですが、勝率になると6位に転落します。ちなみに勝利数でも6位です。もしかすると、プレーオフのダブルスで使うには物足りない数字だと日本生命レッドエルフは考えているかもしれません。

勝率は、各チームのその選手に対する信頼度を測るという意味においても、絶対ではありませんが、ある程度の参考になります。ここぞという大事な試合で最終的には誰を使うのか、を予想したいときに役に立つでしょう。

これらの指標は、スポニティ卓球公式サイトでいつでも確認できますので、積極的に予想に活用してください。


(文・干場卓哉)


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