【ツギクルTリーガーの通信簿】「ポスト黄金世代」へ試練の日々は続く 麻生麗名


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【ツギクルTリーガーの通信簿】「ポスト黄金世代」へ試練の日々は続く 麻生麗名

女子個人で早田ひな選手が銅メダル、女子団体が銀メダルを獲得する一方で、男子はメダルなしに終わり、張本智和早田ひなの最強コンビが挑んだ男女混合ダブルスではまさかの1回戦敗退と悲喜交々のドラマが演じられたパリオリンピックも終わり、8月24日からはいよいよノジマTリーグ2024-25シーズンが開幕します。オリンピックを経て出場選手のみならず、選手全体のレベルが上がった今シーズンは、例年にもました熱戦が期待できるでしょう。

さて、今回は、前シーズンに「ツギクルTリーガー」として紹介した、日本生命レッドエルフ(以下日生RE)の麻生麗名選手の「通信簿」として、彼女の昨シーズンの活躍を紹介いたします。

麻生選手は昨シーズン、シングルスには2戦出場して残念ながら勝ち星なしの2敗に終わりました。ダブルスでは、笹尾明日香選手とペアを組んで5試合して3勝2敗、ソンイジェン選手とは4試合組んで1勝3敗の計4勝5敗と、伸び悩みを絵に描いたような成績に終わりました。Tリーグ以外では2024年の全日本選手権に笹尾明日香選手とペアを組んで出場し、張本美和平野美宇ペアを下すという「大物食い」をみせたものの、ベスト8進出止まりと、殻を破りきれないシーズンとなりました。

ただし、光明がなかったわけではありません。2023-24シーズンはシーズン首位の木下アビエル神奈川(以下KA神奈川)と2位の日生REがプレーオフ決勝で激突するという文字通りの頂上決戦となりました。第1試合のダブルスに出場した麻生・笹尾ペアは、2024年の全日本選手権女子ダブルスで優勝した、「Wみゆう」の愛称で知られる木原美悠長﨑美柚ペアと対戦し、見事に勝利したのです。第一セットは5-11で落としたものの、第二セットを14-12と崖っぷちまで追い込まれながら連続したデュースを凌いでしぶとく拾い、第三セットは11−8と押し切って見事な逆転勝ち。これで勢いがついた日生REは第2、第3試合と連続して勝利し、ゲームカウント3-0でKA神奈川に完勝。前シーズンに手放した覇権を取り戻しました。

この麻生・笹尾ペアの勝利は、麻生選手にとってはチームに勝利をもたらした以上の意味があるように思います。「ポスト黄金世代」として、数々の大会で麻生選手の前に立ちはだかっていた「Wみゆう」を下したことが、麻生選手の覚醒のきっかけになる可能性が大きいからです。そして麻生選手には身近に最もお手本とすべき選手がいます。「黄金世代」の中では3番手に甘んじることが長かったものの、一旦トップの座に躍り出てからは、磐石と言って良い強さを誇っている早田ひな選手です。167cmという恵まれた身長と、高い身体能力を持ち併せている麻生選手が、パリオリンピックでは怪我に見舞われながらも、怯むことなく素晴らしい成績を残した早田選手の一挙手一投足を具に観察することで、技術、そして何より精神力を学ぶことができれば、大ブレイクを果たす日もそう遠くはないはずです。次のロサンジェルスオリンピックでは日本代表の中心選手として、堂々と他国の選手たちと渡り合う姿が見られるかもしれません。


麻生麗名(あそう・れいな)
2002年6月22日長崎県生まれ。大阪の昇陽中学、香ヶ丘リベルテ高校を経て2020年1月から日本生命レッドエルフに所属。戦型は右シェークドライブ型で、167㎝という長身を活かした高い打点からのラリーには定評がある。粘着ラバーを使いこなし始めたことで、ドライブの合間に強い癖球を交えることが可能となり、攻撃の幅が広がっている。

(文・江良与一)

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