【アナタの知らない卓球の世界】日本卓球界を変えた男! 水谷隼選手を紹介
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水谷隼選手のキャリア
「卓球は地味でマイナーなスポーツ」
そんな固定観念を打ち砕き、卓球を日本のメジャースポーツのひとつへと押し上げた男、水谷隼。
リオデジャネイロオリンピックでの歴史的な銅メダル、東京オリンピックでの金メダル獲得など、彼が成し遂げた偉業は、卓球界に計り知れない影響を与えました。
今回は、その輝かしいキャリアと卓越した強さの秘密、さらに卓球界への貢献について掘り下げていきます。
水谷選手のキャリア
静岡県磐田市出身の水谷隼選手は、卓球一家に生まれ、5歳から卓球を始めました。
幼少期から全国大会で優勝を重ねる実力を見せ、15歳で世界選手権日本代表に選ばれるという快挙を成し遂げ、その後も成長を続けます。
2008年の北京オリンピックでは、団体戦での経験を積み、2012年のロンドンオリンピックではベスト16に進出。
2016年のリオデジャネイロオリンピックでは男子シングルスで銅メダルを獲得し、日本男子卓球界初のオリンピックメダリストとなりました。
同大会の団体戦でも銀メダルを獲得し、日本卓球を世界に知らしめる存在となります。
さらに、次の東京オリンピックでは、伊藤美誠選手との混合ダブルスで金メダルを獲得。この快挙は、日本卓球史上に残る伝説的な瞬間となり、水谷選手の名前を不動のものにしました。
水谷選手の強さ
水谷選手の強さの秘密は、その卓越した技術力、多彩な戦術、そして試合での冷静さにあります。
彼のサービスは20種類以上のレパートリーを持ち、同じフォームから回転を変化させることで相手を惑わせ、サーブだけでポイントを獲得していきます。
また、フォアハンドの強烈な攻撃だけでなく、後陣からのロビングや、攻め込まれた状況を一転させ相手を追い込むカウンターショットといった、粘り強い守備も彼の特徴です。
さらに、彼の冷静な分析力も見逃せません。
試合中、相手の表情や仕草から心理状態を読み取り、戦術を調整することで試合の流れを変える能力は一級品です。
この分析力が、高い技術力と合わさり、まさに卓球界のマエストロと言わしめた水谷選手の試合運びを実現していったのです。
日本卓球界への貢献
水谷選手の最大の功績は、日本卓球界に新たな価値観をもたらしたことです。
それまで日本では「メダルは難しい」とされており、彼がリオデジャネイロオリンピックで男子シングルス初の銅メダルを獲得するまでは、個人で結果を出せる選手がほとんどいませんでした。
そんな中、成し遂げた東京オリンピックでの金メダル獲得は、卓球が日本国内で大きな注目を浴びる、きっかけにもなりました。
それは卓球を、地元のレクリエーションスポーツから国民的な競技へと引き上げる過程において大きなターニングポイントとなり、彼なくして今の卓球界の盛り上がりはなかったとも言えるかもしれません。
まとめ
水谷選手は、卓球を日本国内で注目される競技へと変え、世界に誇る選手を育てる道筋を示した偉大なプレーヤーです。
事実、張本智一選手、及川瑞基選手など多くの選手が、あこがれの選手として水谷選手の名前を挙げています。
彼の歩みが未来の卓球選手たちの指針となり、日本卓球界のさらなる発展に今後ますます貢献していくことでしょう。
(文・富永陽介)