「Tリーグ、選手会を作りませんか?」。吉村和弘(琉球アスティーダ)がTwitterの発信に込めた思いを聞いた


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「Tリーグ、選手会を作りませんか?」。吉村和弘(琉球アスティーダ)がTwitterの発信に込めた思いを聞いた

昨日、卓球王国のウェブサイト・今野の眼にて「Tリーグの灯を消すな」という記事を掲載した。そして、その後すぐにTリーグ理事長補佐の宮﨑義仁氏へのインタビューを掲載。2つの記事は大きな反響を生み、SNSにてTリーグについて様々な意見が出ている。

そして、本日午後に、Tリーグでプレーする吉村和弘(琉球アスティーダ)が自身のTwitterで「Tリーグ、選手会を作りませんか? もっともっと盛り上がるはず! 全力を尽くしませんか?」というツイートを発信。

すぐに本人にコンタクトを取り、インタビューを行った。発言の先にある吉村和弘の思いと危機感を聞いた。

聞き手=中川学(卓球王国編集長)


選手という立場から意見を出して、
Tリーグがファンの方にもっと愛されるように、
より良くしていきたい。



●Twitterでの吉村選手のツイートを見て、すぐに連絡させてもらいました。インタビューを快諾してくれて感謝します。
吉村選手の発言にある「選手会を」という思いについて聞かせてもらえますか。



吉村和弘(以下・和弘) 今シーズンは始まったばかりですが、ありがたいことにぼくは試合に出させてもらう機会が多くて、その時に会場での選手同士の会話の中で「今日はお客さんが少ないですね」と話すことがありました。チーム内の選手同士だけではなく、対戦チームの選手ともそういう会話をすることがありました。


そういう中で、ここ数日にSNSでTリーグについてファンの方々からいろいろな意見が出てきているのを見て、ファンの方がTリーグに対して強い思いを持っていることを感じていました。誤解を恐れずに言えば、Tリーグは5シーズン目に入って何も大きく変わっていませんし、会場の観客という面では減ってきていて、マイナスなイメージになってしまっている。これが現状なので、選手としてプレーに集中することはもちろんですが、これからTリーグをよりよくしていきたい、若い選手がこれからもプレーする場を作り続けたいという意味で、Twitterで「選手会を」と書かせてもらいました。


●確かに観客数という面を見れば、開幕戦からここまでの試合を見て、全てではないですが少ないのは否めません。新型コロナの影響もあるけれど、プロ野球やBリーグなどでは会場に多くのファンが足を運んでいます。


和弘 ファーストシーズンはすごく観客も多くて、盛り上がっていたんですが、2シーズン目から少しずつ減ってきて、途中新型コロナもあって減り続けてしまいました。今シーズンは出場している選手は男女とも日本のトップ選手がフル参戦していて、もっともっと観客を増やせると思っていました。そういう中でこのような観客数はぼくとしては悔しくて、またファンの方にも申し訳ないという気持ちがあります。5シーズン目にして何も変わっていないのが申し訳なくて、自分の中でそういう思いが出ているのに、何もしないのは良くないと思いました。


Tリーグには岡山リベッツと琉球アスティーダでプレーさせてもらっていますが、両チームとも岡山や沖縄でイベントなどをたくさん行っています。スポンサー企業さんにも足を運んでいて、チームとしての努力はしています。そういったチームとしての取り組みは、今シーズンも変わらずに行っていくと思います。

チームとしてのこれまでの活動はしっかりと続けながらも、ぼくたち選手という立場から、「選手目線」での意見やできることを行いたいというのが、選手会を立ち上げたいという発言の思いにあります。

選手会を立ち上げたいという理由は、選手にしかわからないスケジュール管理もあって、例えばTリーグのオフシーズンであれば、選手によっては時間を作って、地域にイベントなどで協力できることがあると思うんです。これまでよりもファンとの距離が近くなれるようなことを選手会として考えて、提案できればいいなと思ったからです。

会場に足を運んでくれたファンの方には真剣な試合を見てもらうだけではなく、どうやったらもっとファンの方が楽しめるのかということを選手会として話し合って、良いアイデアを実現していきたい。選手がプレー以外でどのようなことをすればファンの方が喜んでもらえるのか、そうしたことを知恵を出し合いたいですね。

早速、琉球アスティーダの早川オーナーに「選手会を作りたい」という思いを伝えたところ、応援していただけるという言葉をいただきました。選手がTリーグを盛り上げるようにしたい。そこからTリーグ本体と日本卓球協会が協力してくれるという流れを作ることができれば、とてもいいなと感じています。


もちろん、Tリーグ本体もやれることはやっているんだと思います。ただ、それでもファンの方からの厳しい意見や、観客数という面で厳しい状況が続いているのは事実としてあります。だから、ぼくたち選手からTリーグ側にも良くなるための提案をしていければと思います。変わらない状況を打破するためには、選手たちが率先して盛り上げていく必要があると強く感じました。

ぼくは26歳でTリーグの選手の中では年上も多いですが、年齢に関係なく、若い選手からもいろいろな意見が出せるようにしていきたいですね。


●吉村選手の考えに大いに共感する部分がありますが、一部のファンの言葉としては「観客数だけが全てではない」という意見もあります。


和弘 Tリーグに出場している選手はレベルが高く、オリンピックでメダルを獲得した知名度の高い選手が何人にもいます。そういったことからも、ぼくはもっと観客動員数を上げることができると思うんです。会場が遠かったり、都合がつかなくて会場に行けないなどの理由でネット配信で見てくださっている方にも感謝していますが、選手という立場からすれば、やっぱり観客は少ないよりも多いほうが燃えますし、観客数がモチベーションにもなります。


また、観客が多ければ多いほど、これから選手会として何かできるようになった時に、より多くの方に喜んでもらえると思うんです。ひとりでも多くのファンの方に、選手たちとのコミュニケーションを楽しんでもらえるようにしていきたいです。


●他のプロスポーツと比べて見た場合に、Tリーグの会場でのファンと選手との距離感という部分では、もっと良くしていく余地はあると感じます。それは物理的な距離感ということだけではなく、心の距離感という部分もあるのではないかと感じています。


和弘 例えば、ベンチ外の選手がファンの方と同じ席で一緒に応援するとか、そういうことができればより強い繋がりを感じてくれるんじゃないかと思います。試合を見て盛り上がるだけではなくて、プラスアルファーな部分も工夫しだいでできると思うんです。

現実的にできることを工夫していけば、もっとチームを好きになってもらえると思うんです。そうなれば、好きな選手が欠場する試合でもチームの応援として会場に来てもらえるようになると思うんです。


●吉村選手はドイツのブンデスリーガでのプレーの経験もあります。ブンデスリーガの試合はチームや選手とファンとの距離感が本当に近く、盛り上がります。


和弘 ブンデスリーガのチームには、ラッパや太鼓などを使った応援団が必ずあって、彼らが音頭をとって観客が足踏みなどで一体になって試合を楽しんでいるんですよね。プレーしている選手としても、すごく盛り上がります。ビールなどドリンクを飲みながら見ているので、プレーの瞬間は静かにしていますが、ラリーが終わるとワーッと声を出しだりして本当に楽しんでいます。

試合後は選手からファンの方に話しかけますし、ファンも選手に声をかけてくる。とてもフレンドリーな関係なんですよね。それはすごくいいなって思っています。


●コロナ禍に関係なく、Tリーグは鳴り物を使用しての応援は禁止なので、まずはルールを変更しないと難しい。


和弘 手拍子ももちろんうれしいのですが、そこをまず変えたいんですよね。応援のスタイルはいろいろあっていいと思うので、派手に応援したい方と静かに観戦したい方との席を分けてはどうでしょうかね。

プロ野球だとガンガン応援したい方は外野席に集まりますよね。Tリーグでもそういう感じにして、大きく応援したい方の席と、静かに見たい方の席を明確にしてみたり。

ぼくはプロ野球観戦が好きで時々球場に行くんですが、好きな選手が欠場したとしても、その場の雰囲気が良いので楽しいんですよね。だから他の競技から得るものはたくさんあると感じています。


●ブンデスリーガやプロ野球の全てを取り入れることはできないし、それが良いとも思わないけれど、良い部分や実現できそうな部分をTリーグに組み入れていくことで、Tリーグがよりよくなっていけると思います。


和弘 そうですね、できることはたくさんあると思います。ぼくとしては、まずは男女各チームからひとりずつ代表選手を決めていただいて、選手同士でオンラインで意見を出し合うようにしたいです。ぼくひとりだけでは良くできないので、Tリーグの選手たちと力を合わせていきたいですね。いろいろな意見を出して、提案していきたいです。

自分が言いだしたので、もう腹をくくっているんです。選手会を実現させて必ず良いリーグにしていきます!


●急なインタビューを受けてくれてありがとうございます。卓球王国としても、吉村選手を始め、選手会が誕生した際にはぜひ応援させてもらいます。

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