【ツギクルTリーガー】宿敵・松島輝空打倒を目指す 吉山和希


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【ツギクルTリーガー】宿敵・松島輝空打倒を目指す 吉山和希


ノジマTリーグ2024-25シーズンは全チームの「顔見せ」が終了して、1週間小休止します。再開後の熱戦を期待しましょう。

さて、今回はTリーグデビューを目前に控えた岡山リベッツ(以下岡山R)の吉山和希(よしやま・かずき)選手を紹介いたします。

吉山選手は2007年7月に埼玉県で誕生しました。三つ歳上の兄の僚一さんもTリーガーで、現在岡山Rのチームメイトです。兄の後を追いかけて卓球を始めた吉山選手は、小学校低学年の頃から早くも頭角を現し、全日本卓球選手権大会では男子シングルスのバンビの部で1回、カブの部で2回準優勝し、ホープスの部でも3位入賞を果たしています。ただし、小学校時代は日本一の栄冠だけはとうとうつかめずに終わりました。同学年に「次代の日本のエース」の第一番手と目されている松島輝空選手(木下マイスター東京)がいたからです。準優勝に終わった3大会では決勝、3位に終わった大会では準決勝で対戦し、全て敗れるという屈辱を味わいました。

小学校卒業後は、より良い強化環境を求めて、全国に名を轟かせている愛知の強豪、愛工大名電中学に入学します。全国の精鋭が集まる同校の環境で磨かれたことにより、全日本卓球選手権大会カデットの部14歳以下男子シングルスで、自身初の全国優勝を果たし、「シルバーコレクター」の称号は返上しましたが、この大会では松島選手との対戦はありませんでした。松島選手とは、2023年の全日本卓球選手権大会ジュニアの部男子シングルス準決勝で対戦して敗れています。高校は、星槎国際高校に進学し、現在も在学中です。エスカレーターで愛工大名電高校に進むことの多い愛工大名電中学の卒業生としては異例の進路ですが、松島選手にどうしても勝てない現状を鑑み、環境を一変させるための「転身」だったのでしょう。そして、高校入学と同時に岡山Rにも入団し、Tリーガーとしても歩み始めました。しかしながら、アマチュア時代の実績がいかに充実したものであっても、簡単に出場できないのがTリーグ。入団初年度の昨シーズンは出場試合なしに終わってしまいました。2023年には3つの国際試合で優勝し、2つの国際大会で準優勝するという堂々たる実績を挙げた吉山選手であっても、試合出場すら叶わないという現実はTリーグのレベルの高さが世界屈指であることの証左でしょう。

吉山選手の戦型は左シェークドライブ型で、フォア、バック両方から放つ強力なドライブが最大の武器です。反面、つなぎのショットなどにはまだまだ改善の余地があり、細かいテクニックの向上がTリーガーデビューに際しての課題となっているようです。

幼少期から、同学年の松島選手に頂点への道を阻まれ続け、今またTリーグの高い壁に跳ね返されている吉山選手ですが、プロの世界に飛び込み、その空気を直に感じた昨年一年の修練は決して無駄なものではなかったはずです。このまま高いレベルで修練を続け、様々なテクニックを身につけていけば、今シーズン中のTリーグデビュー、そして勝利も十分に期待できます。Tリーグという場で宿敵松島選手に勝利することができれば、今まで味わってきた悔しさを一気に晴らすことになります。のみならず、吉山選手がレギュラー入りして活躍すれば、昨シーズンはプレーオフファイナルまで進出した岡山Rの初優勝がグッと現実味を増すことになります。吉山選手が岡山Rを牽引する存在になることを期待して応援していきましょう。


吉山和希(よしやま・かずき)
2007年7月4日埼玉県生まれ。愛工大名電中学を経て、星槎国際高校に入学し現在在学中。2015年全日本卓球選手権大会バンビの部男子シングルス準優勝、2016年、2017年の同大会カブの部でも準優勝。2021年同大会カデットの部14歳以下で優勝。2023-24年シーズンから岡山Rに入団。戦型は左シェークドライブ型でフォア、バックともに威力十分のドライブが持ち味。


(文・江良与一)

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