【ツギクルTリーガー】日本ペイントマレッツのエースから日本のエースへ 大藤沙月


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【ツギクルTリーガー】日本ペイントマレッツのエースから日本のエースへ 大藤沙月


悲願の初制覇に向け、5節目にしてリーグトップに躍り出たのが日本ペイントマレッツ(以下ニッペM)。今回はそんなニッペMでルーキー時代から主力選手としてチームを支え続けている大藤沙月(おおどう・さつき)選手を取り上げます。Tリーグの在籍期間といい、今までの実績といい、「ツギクル」というよりは「すでに来ている」選手という見方もできる彼女ですが、「次なる日本代表のエースへ」との期待をこめてご紹介します。

大藤選手は2004年5月に福井県で誕生しました。卓球クラブのコーチを務めていた父の影響で保育園時代から卓球を始め、小学校に入ると、毎朝早くから家にある卓球台で父の指導を受けることが日課となっていたそうです。そんな英才教育の成果は、数々の全国大会で上位入賞となって現れました。中学はより良い練習環境を求めて、大阪の名門四天王寺中学に進学。同時にミキハウスJSCにも入団し、まさに卓球一色の生活を送ることとなります。大藤選手の中学時代はまさに「飛躍」の時代となりました。2017年から19年にかけての全国中学校卓球大会における四天王寺中学の女子団体3連覇の中心選手として活躍した他、18年の同大会女子シングルスで優勝、19年の全日本卓球選手権大会の女子ダブルスでは現在のチームメイトであり四天王寺中学・高校の先輩でもある芝田沙季選手とペアを組んで出場し準優勝するなど輝かしい成績を残し、一躍、次世代の星として注目を浴びることとなりました。

四天王寺高校進学後も快進撃は続き、2020年、21年と全日本卓球選手権大会のジュニアの部女子シングルスで2連覇を達成した他、四天王寺高校のインターハイ連覇にも大いに貢献しました。

そして2021-22シーズンには高校在学のままニッペMに入団し、Tリーグに参戦。ジュニアや高校時代に活躍した選手が、「Tリーグの洗礼」を浴び、苦戦するのを尻目に、シングルスで13勝4敗、ダブルスで8勝2敗と、一気に「日本のエース」の座をつかみ取ってもおかしくない圧倒的な成績を残しました。しかし、残念ながら大藤選手の成績はここで曲がり角を迎えます。一般の部にステージが上がった全日本卓球選手権大会ではシングルスはベスト8が最高、芝田選手とのダブルスも3位が最高と、足踏みが続いています。1年目に素晴らしい成績を挙げたTリーグにおいてもシングルス、ダブルスともに勝敗がほぼ同じ数という「平均的」な成績しか残せていません。女子選手全体がレベルアップしていることに加え、強い選手であったが故に、各選手が「打倒大藤選手」を目標に掲げ、研究を重ねて、しっかりとした対策を講じてきたことが原因でしょう。一時期頂点を極めたことのある選手だからこその、贅沢な苦しさなのだとは思いますが、この苦しさを乗り越え、現状を打破しない限り、日本のエースに上り詰めることはできません。

大藤選手の戦型はオーソドックスな右シェークドライブ型で、両ハンドからの威力あるドライブを連続して打ち込み続ける攻撃力の高さが特長です。強力ながら繊細なタッチのドライブを叩き出し続ける戦法は、特にカットマン相手に威力を発揮します。

今シーズンはシングルス3勝無敗、ダブルス2勝1敗と上々な滑り出しをみせ、首位を走るニッペMを牽引しています。ニッペMを初優勝に導き、さらに日本のエースとして世界の強豪たちと伍していく姿を期待して応援していきましょう。


大藤沙月(おおどう・さつき)
2004年5月16日福井県生まれ。四天王寺中学を経て四天王寺高校卒。高校在学中の2021-22シーズンにニッペMに入団。2019年には中学生ながら、芝田沙季選手とペアを組んだダブルスで全日本卓球選手権大会に準優勝し、注目を浴びる。戦型は右シェークドライブ型で、カットマンに強いことが特徴。


(文・江良与一)

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