【ツギクルTリーガーの通信簿】「ポスト黄金世代」のトップ最有力候補の座は継続中 赤江夏星


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【ツギクルTリーガーの通信簿】「ポスト黄金世代」のトップ最有力候補の座は継続中 赤江夏星


ノジマTリーグ2024-25シーズンは第5節を終了し、男子は木下マイスター東京が6連勝と圧倒的な強さを示した一方で、対抗馬である琉球アスティーダ(以下琉球A)はT.T彩たま岡山リベッツに連敗して負け星先行の苦しい2位となりました。女子は昨シーズン3位の日本ペイントマレッツが5戦無敗で4戦無敗の木下アビエル神奈川(以下KA神奈川)を抑えて首位に立ち、日本生命レッドエルフ(以下日生RE)が負け星先行の3位に転落しました。男女ともに2位以下のチームに波乱が起きたリーグ戦は、1週間の小休止をはさみ、10月12日に次節が行われます。今節調子を落としていた琉球A、日生REがどのようにチームを立て直すか、他のチームがどう迎え討つか、楽しみに待つことと致しましょう。


さて、今回の通信簿は、日生REの期待の星、赤江夏星(あかえ・かほ)選手にご登場いただきます。

赤江選手のTリーグ参戦は、香ヶ丘リベルテ高校在学中の2019-20シーズンからで、今シーズンで通算6シーズン在籍し続けている「ベテラン選手」です。ジュニア時代の華々しい戦績から、大いに期待されてのTリーグ参戦でしたが、参入から2022-23までの4シーズン通算成績はシングルス4勝8敗、ダブルス13勝11敗と残念ながら期待に応えることができていませんでした。Tリーグ以外では、2022年のインターハイ女子シングルス優勝、同年のWTTユースコンテンダーセネツ19歳以下の部女子シングルス優勝など、ポスト黄金世代のエースと呼ぶに相応しい実績を見せていたにもかかわらず、Tリーグでは苦戦続きであったことは、Tリーグのレベルの高さを示すと同時に、期待される選手であればあるほど、強い相手と繰り返し戦わなければならないリーグ戦で勝ち続けることの難しさを示すものでもありました。

こうした困難な状況下でも、腐らずに精進した結果、2023-24シーズンはシングルス6勝4敗、早田ひな選手とペアを組んだダブルスでは1勝無敗と確実な進歩がうかがえる成績を残しました。そして2024年1月に行われた全日本卓球選手権大会女子シングルスでは、準々決勝で黄金世代の一角、平野美宇選手をフルゲームの接戦の末に下しました。残念ながら準決勝では同じ黄金世代の早田ひな選手に敗れたものの、見事に3位入賞を果たし、「世代交代」に必要な実力が蓄えられていることを広く世間に知らしめました。加えて2024年5月には、高校卒業後在籍した実業団チーム、デンソーポラリスからの退団を発表。文字通り退路を絶ち、Tリーグに専念する決断を下しました。飛躍に必要な条件は全て整ったのです。

今シーズンはシングルス3戦に出場して2勝1敗とまずまずの滑り出しですが、まだまだジャンプアップしたとは言えない状態です。敗戦の相手は歳下ながら実績では一歩先を行く張本美和選手(KA神奈川)。今後も様々な場面で数多く対戦していくことが予想される相手だけに是非とも勝っておきたいところでしたが、結果はゲームカウント0-3の力負け。ただし、現在の結果は決して逆転不可能な差を意味するものではありません。同じように一時はライバルたちに差をつけられていながら、現在では堂々のトップ選手に登り詰めた早田ひな選手はともにTリーグを戦うチームメイトであり、彼女の姿を手本に修練を重ねれば、赤江選手が日本のエースへと成長することはじゅうぶん可能です。黒星先行という逆境の真っ只中にいる日生REを、優勝を狙える状態にまで押し上げることも、赤江選手にとっては、一回り大きな選手に成長するための格好な試練となることでしょう。


赤江夏星(あかえ・かほ)
2004年7月3日兵庫県生まれ。香ヶ丘リベルテ高校卒。Tリーグには高校在学中の2019-20シーズンより参戦。2023年全日本卓球選手権大会女子シングルス3位。戦型は右シェークドライブ型で両ハンドからの強烈なドライブとともに、バックハンドでの細かなテクニックが持ち味。


(文・江良与一)

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