女子プレーオフSFは日本生命が3-0で名古屋を完封。5連覇をかけて木下アビエルと激突


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女子プレーオフSFは日本生命が3-0で名古屋を完封。5連覇をかけて木下アビエルと激突

 シーズンのノジマリーグは東京・代々木第二体育館で女子プレーオフセミファイナルが行われ、レギュラーシーズン2位のトップおとめピンポンズ名古屋と同3位の日本生命レッドエルフが対戦。日本生命が3-0で勝利し、5連覇をかけて木下アビエル木下の待つプレーオフファイナルへと駒を進めた。
 
【ノジマTリーグ女子プレーオフ・セミファイナル】
トップおとめピンポンズ名古屋(2位) 0-3 日本生命レッドエルフ(3位)〉
 鈴木李茄南波侑里香 -7、6、-6 赤江夏星早田ひな
 安藤みなみ 9、-7、-5、10、-7 早田ひな
 南波侑里香 -2、-6、-9 伊藤美誠
 小塩遥菜 ――― 森さくら
 
 レギュラーシーズンの順位と勝点によるアドバンテージとして、日本生命は事前に1・2番のオーダーを名古屋に公表して行われたこの試合。日本生命・村上恭和総監督が「練習を見ながらギリギリまで悩んで、最後は時間切れで決めた」と1番に起用したのは赤江/早田。対する名古屋はレギュラーシーズン全試合に起用され、ベストペア賞に輝いた鈴木/南波をオーダー。
 試合は両ペアとも台から出たボールを見逃さずに攻め、左右に揺さぶり合う展開で1ゲームずつを奪って最終ゲームに突入。しかし、6-6からスタートした最終ゲームは赤江/早田がサービス・レシーブからしっかり得点を重ねて5本連取で一気に決着。レギュラーシーズン最終戦に続き、これが2試合目のペアリングとなった赤江/早田だが、名古屋のポイントゲッター・鈴木/南波を見事に下してチームに大きな先制点をもたらした。
 
 ダブルスに続いて2番に起用された早田に名古屋がぶつけたのはエースの安藤。1ゲーム目、安藤が随所でフォアストレートへ鮮烈なスマッシュを叩き込んで9点で奪取。しかし早田も的確な攻守の転換と粘りで2・3ゲーム目を連取し、勝利にあと1ゲームに迫る。4ゲーム目は安藤がリードを奪って試合が進むも、早田が終盤に逆転し10-9でマッチポイント。それでも安藤が意地を見せ、ここから3本連取で逆転。ダブルスに続いて2番も勝負の行方は最終ゲームへもつれ込んだ。
 しかし、最後に笑ったのは早田だった。途中まで安藤のバック表のボールに苦しむ場面もあったが、最終ゲームはしっかりとアジャスト。我慢のラリーでミドルを突きながら、チャンスボールには厳しく両サイドを攻めて勝負あり。WTTから20日の夜に帰国したばかりの早田だったが、ダブルス、そして2番とフルゲームの接戦を制して期待に応えた。
 
 こうなると流れは完全に日本生命へ。3番に登場となった伊藤は1ゲーム目から多彩かつタイミングの早いプレーで南波を圧倒。1ゲーム目を3-2から8本連取で奪うと、2ゲーム目も1-2から連続得点で7-2までリードを広げて連取。3ゲーム目こそいきなり0-6とされたが、ここからなんと10本連取でマッチポイントを奪う。最後はネットをかすめたボールを南波が拾いきれずにゲームセット。日本生命がレギュラーシーズンでは1勝3敗と負け越していた名古屋を相手に3-0で勝利し、5シーズン連続でのプレーオフ・ファイナル進出を決めた。
 
 初のプレーオフ進出を果たした名古屋だったが、快進撃はセミファイナルで終焉。就任2年目でチームをプレーオフへと導いた若宮三紗子監督は次のように試合を振り返った。
 「ダブルスを取らないと厳しいとは思っていたし、結果的にダブルスを落としたことで厳しい試合になってしまいました。(オーダーを事前に知ることで)いつもより準備はできたけど、相手が強かったので1、2本の差で負けてしまった。
 今回、初めてプレーオフを戦わせてもらって、いつもと違う緊張感を味わうことができました。こういう舞台で毎シーズン戦えるチームになりたいし、この経験を来シーズンに向けて生かしていきたいです。まずはこの舞台に立てたことをうれしく思います。
 私たちのチームの良さは、ファンの方の応援が熱いこと。今日の試合もどんな場面でも声を出して、叫んで応援してくれた。今シーズンは応援の力を感じた試合が、昨シーズンよりも多くありました」
 
 選手時代には日本生命でプレーした若宮監督にとっては村上総監督との「師弟対決」となった今日の試合。村上総監督は会見で若宮監督を讃えるコメントを残した。
 「若宮はよくチームをまとめたと思います。まずはダブルスを固定して全試合使ったけど、私なら負けたらすぐに変える。でも今シーズンはあのダブルスが大きかったと思う。海外の選手もチームに馴染んで、良いチームに仕上がっていたと思います」
 
 そして26日にはTリーグ開幕からの5連覇をかけて木下アビエル神奈川とのプレーオフファイナルに挑む日本生命。自身にとっては初のプレーオフファイナル、そしてTリーグ制覇に挑む伊藤は次のように語った。
 「(木下アビエルは)穴がないチーム。海外の試合に誰かが出ていてもしっかり勝つし、(戦力が)6人くらい余ってるんじゃないかって(笑)。誰が出ても勝てる実力を持っていますね。
 (プレーオフファイナルは)3番までオーダーを出す(事前に公表する)ことになるので、逆に気持ち的には楽かなと思います。相手のほうが(この選手に)勝たないといけないというプレッシャーがあると思います。挑戦者的な気持ちになれますね」
 
 レギュラーシーズンで苦しみながらも最後の一戦にたどり着いた女王・日本生命の5連覇か、圧倒的な強さでレギュラーシーズンを戦い抜いた木下アビエルの初優勝か。今シーズンのTリーグのクライマックス、女子プレーオフファイナル3月26日18時30分に熱戦の火蓋が切って落とされる。

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