【ツギクルTリーガー】日本の卓球界に革命を起こすか? 麻生麗名


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【ツギクルTリーガー】日本の卓球界に革命を起こすか? 麻生麗名

ファン待望のノジマTリーグ2023‐24シーズンは、男女ともに7/30(日)から開幕します。

女子は2018年のリーグ創設から4年間、日本生命レッドエルフが優勝を独占していましたが、2022-23シーズンは木下アビエル神奈川が初優勝し、栄冠を手にしました。

覇権奪還を虎視眈々と狙うレッドエルフにとっては、早田ひな伊藤美誠のビッグネーム2名に続く、新戦力の台頭に期待したいところです。そこで本記事では、今シーズンの飛躍に期待したいホープの一番手として、麻生麗名(あそう・れいな)選手を紹介いたします。

麻生選手は2002年6月に長崎県で誕生しました。6歳から卓球を本格的に開始し、中学は大阪の名門昇陽中に進みます。同時に優秀なジュニア選手を世界に通用するトップ選手に育て上げることを目的に設立されたジュニアアシスト卓球アカデミーにも入門しました。この組織は、麻生選手の他に早田ひな皆川優香赤江夏星という錚々たる選手を輩出しており、現在も13名の「次代の星」たちが腕を磨いています。

中学時代の麻生選手は全国中学校選抜大会団体優勝1回、準優勝1回という堂々たる実績を残し、卒業後はやはり大阪にある強豪香ヶ丘リベルテ高校に進学します。当時の大阪では四天王寺高校が圧倒的な強さを誇っており、高校のチームとして全国大会への出場はかないませんでしたが、個人としては、厳しい府予選を勝ち抜き、2度全日本ジュニア選手権に出場。2020年の大会ではベスト8に進出し、その実績が認められて、レッドエルフに入団することとなりました。女子高生Tリーガーの誕生でした。

ただし、世界でも屈指のレベルの高さを誇るTリーグの壁は高く、入団初年度の2020-21シーズンはシングルス4戦に出場したものの、未勝利に終わりました。2021-22シーズンはシングルス2試合に出場して2勝、ダブルスは5試合に出場して4勝1敗、2022-23シーズンはダブルスのみ8試合に出場して4勝4敗の成績を残しました。着実に歩みを進めていることが感じられる一方で、やや伸び悩んでいるという印象も否めません。

愛らしい顔立ちで、ネットの「かわいいTリーガーランキング」などの企画では必ず上位に名を連ねる上、レッドエルフ公式SNSの「お家でできる卓球ボールトラケットを使った運動」シリーズで、「わっしょい!」の掛け声とともに面白リフティングパフォーマンスを披露するなど、「人気者」になるための要素は十分にそろっています。しかし、実績が伴わないことにはただの浮ついた「アイドル」になってしまいますね。
最大のファン獲得法はTリーグの試合で良いプレーを魅せて、勝利することです。麻生選手本人も周囲から向けられる期待の高さを十分に感じています。利き手の左右の違いはあれど、同じような体格で同じようなプレースタイルであるチームメイト、早田ひな選手に追いつき追い越すことを目標に日々の練習に励んでいます。

麻生選手の活躍には、本人のみならず、日本卓球界の将来もかかっています。すなわち、ジュニアアシスト卓球アカデミーというエリート養成システムの存在意義が問われるということです。同アカデミーはすでに早田ひな選手という成功事例を生み出してはいますが、この成功事例がフロックでないことを証明するには、麻生選手ら同アカデミー卒業生の活躍が不可欠です。
そして同アカデミー出身者が数多く活躍することになれば、日本卓球界の「育成」は、突出した才能を持つ個人の出現を期待するだけだった従来の状況から、サッカーのトッププロチームのように、低い年齢の時から組織的に、システマティックに行われることが一般化していくかも知れません。こうした制度が確立されれば、追いつけそうでなかなか追いつけない、中国を打倒することに繋がっていくのではないでしょうか。

まずは今シーズンの麻生選手のプレーに大いに期待して注目していきましょう。

麻生麗名(あそうれいな)
2002年6月22日生まれ
長崎県出身。大阪の昇陽中学、香ヶ丘リベルテ高校を経て2020年1月から日本生命レッドエルフに所属。戦型は右シェークドライブ型で、167㎝という長身を活かした高い打点からのラリーには定評がある。特にバックハンドは回転量、スピードともにTリーグでもトップレベルにある。

(文・江良与一)

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