【ツギクルTリーガー】チームに勝ち運をもたらす存在に 木塚陽菜


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Tリーグの2023-24シーズン女子は折り返し地点に差し掛かった時点で、日本生命レッドエルフ木下アビエル神奈川のマッチレースの様相を呈してきましたが、後半の巻き返しに向けて、下位のチームも牙を研いでいる状態です。最後まで目の離せないシーズンとなりそうですね。

今回は11月5日にシーズン初勝利を挙げた京都カグヤライズ(以下京都K)から、その勝利の立役者となった木塚陽菜(きづか・ひな)選手を紹介いたします。

木塚選手は2003年3月に愛媛県で誕生しました。小学校1年生の時に地元愛媛の名門、松山教室で卓球を始めました。その才能が大きく開花したのは、済美高校に入学後でした。同校は木塚選手の父、健一さんが1999年から監督を務め、現時点で県高校総体の団体で14年連続優勝を果たしている、敵なしと言っていい強豪校です。木塚選手は入学時から全国大会で実績を残し、コロナ禍でインターハイなどが中止された高校3年時は全日本選手権で4回戦まで進出し、平野美宇選手に惜敗するなどの活躍を見せました。父娘がガッチリとタッグを組んでの徹底指導の成果だと推測されがちですが、意外なことに、監督としての健一さんは「試合に出たいのなら努力するしかない」程度のアドバイスしかしなかったそうです。木塚選手はその言葉を真摯に受け止め、自分で考えて努力し、チームのエース座をつかむとともに、大人を含めた、全国大会でも上位に食い込むだけの実力を身につけました。

大学は親元を離れて、兵庫県の神戸松蔭女子学院大学に進学し、現在在学中です。直近の2023年9月に行われた秋季関西学生リーグ戦では、シングルス・ダブルス合計で14回戦って無敗と、文字通り「無双状態」の活躍をみせ、個人として殊勲賞に輝くとともに、チームにも全勝優勝をもたらしました。そしてその勢いそのままに11月1日に京都Kと契約を結び、Tリーグに参戦。入団直後の11月5日には九州アスティーダとの対戦に臨みました。この試合、シングルスではやはり9月に入団したばかりで、2023年インターハイシングルス準優勝の栗山優菜選手にゲームカウント3-0のスコアで敗れたものの、ヴィクトリーマッチでは同じ栗山選手に勝利し、京都Kに勝利をもたらすという上々のスタートを見せました。高校、大学でも木塚選手の活躍によってチームは数々の栄冠を勝ち得ましたが、Tリーグでも、初戦から持ち前の勝負強さと勝ち運の強さを見せつけることとなったのです。苦戦続きの京都Kにとってはまさに即戦力の救世主。シーズン後半の反転攻勢に欠かせない選手の座を早くもつかみつつあります。

木塚選手の戦型は現在の卓球界の「主流派」である、右シェークドライブ型ですが、身長160cmと女子選手の中では長身の木塚選手の武器はその長身を活かした強力なドライブです。フォア、バックともに強烈な回転をかけた球を相手コートに叩き込み続けられるため、特にラリー戦では強さを発揮します。気合いを前面に押し出し、果敢に攻め続ける強いメンタルの持ち主としても知られています。恵まれた環境に甘えることなく地道に研鑽を積んで、現在の実力を自分自身で作り上げたという自負がもたらしたこのメンタルの強さは、Tリーグでも、世界でも木塚選手に勝利をもたらし続けることでしょう。

木塚陽菜(きづか・ひな)
2003年3月8日愛媛県生まれ。済美高校を経て現在神戸松蔭女子学院大学在学中。2023年秋季関西学生リーグ戦では、単複合わせ14戦無敗という圧倒的な成績を残し殊勲賞を受賞。2023-24シーズンより京都Kに入団。戦型は右シェークドライブ型で、長身を活かした強打が魅力。


(文・江良与一)

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