【アナタの知らない卓球の世界】石川佳純の引退や、最強中国の撃破!2023年の卓球界を振り返り!
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2023年も残すところ、あと5日を切りました。
今年はWBCから始まり、バスケ日本代表がオリンピックの出場権を獲得するなど、スポーツの年と言ってもいいほどいくつもの名場面がありました。
もちろん卓球も今年多くの物語を紡いできています。
年末特別編として、2023年の卓球界を改めて振り返っていきましよう。
男子
今年の男子卓球は、“飛躍”の言葉がふさわしい一年となったと言えるでしょう。
その筆頭格は、張本智和選手と戸上隼輔選手です。
張本智和選手は全農カップ東京大会、ノジマカップなどのタイトルを、戸上隼輔選手は全日や全農カップ大阪大会など、この1年の間でそれぞれ国内のタイトルを複数獲得しました。
事実、オリンピックの選考レースにおいても、彼ら二人がリーチをかけています。
しかし今年の男子は彼らだけにとどまりません。
今年、男子卓球界では、例年と異なり国外で結果を出しはじめる若手選手が現れるようになりました。
代表的なのが、WTTコンテンダーリオデジャネイロで準優勝した松島輝空選手や、中国最強の一角・王楚欽選手をアジア大会で撃破した田中佑汰選手です。
彼らの活躍によって、国内の競争が激化してきており、多くの大会で接戦が増えつつあります。中には、中国選手を倒す選手もみられています。
若い選手たちの成長によって、男子卓球は変革し始めているのでしょう。
女子
今年の女子卓球はやはり、「早田ひなの年」となりました。
1月に行われた全日では個人3冠を達成し、世界卓球では中国選手を撃破。1年間安定した王者の戦いをし続けました。
オリンピックの選考レースでも他の追随を許さず、大差をつけて首位を独走しています。
数年前まではライバルである伊藤美誠選手、平野美宇選手の後塵を拝していた彼女ですが、今は「日本のエースは早田ひな」と言い切ってしまっても差し支えないほどに、今年示した成長は圧倒的でした。
ただ、女子卓球もまた彼女だけではありません。
男子同様、例年以上に若い世代の台頭著しい一年だった印象があります。
特に張本美和選手の活躍は周囲の度肝を抜くもので、11月に全農CUPの優勝や、WTTで3位入賞するなど、国内外でニュースター誕生を印象づける活躍をアピールしました。
こうした新星誕生の裏には、今年5月に引退した石川佳純さんの存在も大きく関わっているとみています。
今年の女子卓球界の興隆を語る際、日本女子のエース・石川佳純さんの引退について触れておかなければならないところでしょう。
日本卓球に今の人気があるのは、福原愛さんからバトンを受け継ぎ、その火を灯し続けた彼女の貢献があったからこそ。
少し寂しい気持ちもありますが、今度は彼女のバトンを受け継いだ選手たちが、来年以降どう活躍し、貢献していくのか。期待してみていきましょう。
最後に
最後に、選手ではなく彼らが所属するTリーグについて、お話させていただきます。
今年は男子が2チーム、しかも大都市ではなく地方都市に、地域密着型のチームが複数誕生しました。
これはTリーグ、ひいては卓球の人気が、地方にも受け入れられ始めた証拠だと考えられます。
それは、琉球が秋田で試合を行ったり、大坂のショッピングセンターで試合を行うなど、いろいろな興行を通じて同リーグを全国区へと拡げんとする努力が、確実にみのってきていることの表れでもあります。
来年はオリンピックイヤー、より卓球を楽しめる環境になっていくと思われます。
成長する過程を皆さんとともに楽しみ、そして来年も最高の興奮をたくさん受け止めたい。
そんな気持ちを胸に秘めながら、新たな年を迎えようと思っています。ぜひ、皆さまも引き続き卓球ライフを楽しんでいきましょう。
(文・富永陽介)