【ツギクルTリーガー】もっと試合に出て欲しい異色の「速攻ボーイ」 手塚崚馬


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ノジマTリーグの2023-24シーズンは正月休みをはさんで1月6日から再開され、シーズン中盤の熱戦が繰り広げられました。シーズン終盤に向け、熾烈な戦いが続いていくことを期待しましょう。

さて今回は、Tリーグ参戦初年度ながら4位と健闘中の静岡ジェード(以下静岡J)所属の現役大学生Tリーガー、手塚崚馬(てづか・りょうま)選手を紹介いたします。手塚選手は2002年4月に長野県で誕生しました。兄の影響で小学校2年から本格的に卓球を開始しました。トップ選手にしてはやや遅いスタートですが、地元の名門クラブJUPICで腕を磨き、中学はより良い環境を求めて親元を離れ、高知の名門明徳義塾中学に進学します。そして、ここでの指導が、手塚選手の現在に至るプレースタイルを決定的なものにしました。

中学入学当初は、オーソドックスな右シェークドライブ型だった手塚選手でしたが、2年時には早くもこのプレースタイルに行き詰まりを感じることとなります。そこで、総監督の佐藤健剛氏に勧められたのが、前陣速攻で、かつスマッシュを多用する戦型。このスタイルは女子選手に多く見られるもので、そこからのスマッシュといえば、伊藤美誠選手の「美誠パンチ」が有名ですね。ただし、伊藤選手が「美誠パンチ」を繰り出すのが、ここぞという時のみなのに対し、手塚選手はスマッシュを「主戦球」として多用します。男子のトップ選手としては世界でも異色のプレースタイルですが、この選択は見事に奏功し、中学3年時には全国中学校卓球大会シングルスで優勝を飾ります。
高校はそのまま明徳義塾高校に進学。1年時には早くもインターハイ個人戦でベスト4まで進出しますが、その後は怪我の影響もあって、しばらく低迷期が続きました。稀有なプレースタイルを選択したが故の悩みなどもあったようですが、もう一度、自分のプレースタイルを見つめ直し、自分自身の卓球を突き詰めていくと決め、改めて練習に打ち込んだ結果、2020年の全日本卓球選手権ジュニアの部シングルス3位と復活しました。

大学はレジェンド水谷隼氏や戸上隼輔選手を輩出した明治大学に進学。大学進学後も快進撃は続き、2021年関東学生新人戦では宮川昌大選手(琉球アスティーダ)とペアを組んだダブルスで優勝します。しかし強者揃いの明治大学卓球部ではすぐにレギュラーというわけにはいかず、同年の全日本大学総合選手権では控えに回りました。この大会で明治大学は準優勝。「優勝できなかった」と泣き崩れる先輩たちの姿を見た手塚選手は、自分が貢献できなかった不甲斐なさと悔しさとともに、勝利への執念を強く心に刻んだそうです。

2023-24から静岡Jに入団し、Tリーグに参戦しました。デビュー戦は曽根翔選手(T.T彩たま)と同学年のライバル対決。この戦いは各ゲームとも僅差の大接戦となりましたが、最終的にはゲームカウント3-2で勝利し幸先の良いスタートを切りました。しかしながら、手塚選手の現時点での出場はこの一試合だけ。大学の活動との兼ね合いもあるのでしょうが、実績も十分で大きな期待もかけられている選手としてはやや寂しい状態です。

178cmと卓球選手としては大柄で、力強いスマッシュを連発する手塚選手は間違いなく「見映え」する選手です。Tリーグ全体を盛り上げるためにも、もっともっと試合に出て、活躍して欲しい選手の一人です。


手塚崚馬(てづか・りょうま)
2002年4月14日長野県生まれ。明徳義塾中学・高校を経て現在明治大学在学中。2023-24シーズンより静岡ジェード入団。2017年全国中学校卓球大会シングルス優勝、2020年全日本卓球選手権ジュニアシングルス3位、2021年関東学生新人戦男子ダブルス優勝。スマッシュを多用する異色のプレースタイルの持ち主。


(文・江良与一)

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