【ツギクルTリーガー】着実にステップアップしてきたカットマン 小塩遥菜


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【ツギクルTリーガー】着実にステップアップしてきたカットマン 小塩遥菜


1月22日(月)から「天皇杯・皇后杯2024年全日本卓球選手権大会」が行われるため、ノジマTリーグの2023-24シーズンは2月2日まで小休止。まずは日本一の選手・ペアを決める全日本卓球選手権を楽しみ、その後は、シーズン終盤に向け熾烈な順位争いが繰り広げられるTリーグを楽しみましょう。

さて今回は、現在4位と健闘中ながら、やや上位3チームには水をあけられてしまっているトップおとめピンポンズ名古屋(以下TOP名古屋)から現役女子高生Tリーガー、小塩遥菜(おじお・はるな)選手を紹介いたします。

小塩選手は2005年8月に岐阜県で誕生しました。以前紹介した小塩悠菜選手は3歳年下の妹で、現在TOP名古屋のチームメイトでもあります。卓球を始めたのは小学校3年生の時と、トップ選手としてはやや遅めですが、卓球開始に先立ち、小学1年生時からボクシングに勤しんでいました。この両者は素早いフットワークや優れた動体視力など、求められる能力が共通しています。小学3年から5年時までこの二つの競技を並行して実施し、基本的な能力を磨いた小塩選手は6年時に卓球1本に絞ることを選択。同時により良い強化環境を求めて親元を離れ、福岡県中間市の名門、石田卓球クラブに入団します。この武者修行は見事に奏功し、2017年の全日本選手権カデットの部13歳以下女子シングルスで準優勝し、世代のトップに躍り出ました。その後JOCエリートアカデミーに入学。中学は同アカデミーに通いやすい東京都北区立稲付中学に進みます。2019年には全国中学校卓球大会女子シングルスで優勝しました。同時に日本ペイントマレッツ(以下ニッペM)に入団しTリーガーとしても歩み始めました。

各種大会での実績は十分あり、しかもトップレベルでは希少なカットマンである小塩選手は入団早々から主力選手に抜擢され、数多くの試合に出場します。しかしながら1年目はシングルスのみ11試合に出場して2勝9敗、2年目はシングルスは8戦全敗、ダブルスは2戦全敗と大きく負け越します。ただし、これはカットマンであるが故に、各チームの主力であるドライブ系の有力選手たちと数多く対戦、それによってもたらされた苦闘の結果でした。特に2年目は早田ひな石川佳純長﨑美柚選手ら「日本の主力」との対戦が数多く組まれ、文字通り打ちのめされたシーズンとなりました。

しかし、この屈辱の体験は確実に小塩選手の成長の肥やしにはなったようです。3年目は4勝2敗、ニッペMからTOP名古屋に移籍した4年目は5勝2敗、そして今シーズンは1月17日現在で3勝3敗(いずれのシーズンも出場はシングルスのみ)と着実にステップアップしてきました。

カットマンである小塩選手の身上は粘り強さ。相手の強力ドライブに屈することなく、さらに強い、変則的な回転をかけて何度でも打ち返し、最終的に相手のミスを誘うのがプレースタイルです。体力的なスタミナもさることながら、精神的なタフさが最も重視されるプレースタイルでもあります。1年目、2年目の苦闘を経て身につけた精神力は、恐らくTリーグでも屈指の強靭さに成長しているはずです。その精神力が、勝利数の増加という具体的な形になる日はそう遠くないでしょう。


小塩遥菜(おじお・はるな)
2005年8月3日岐阜県生まれ。北区立稲付中学校を経て現在星槎国際高在学中。2019-20シーズンよりニッペM入団。2021-22シーズンよりTOP名古屋に移籍。2017年全日本選手権カデットの部13歳以下シングルス準優勝、2023年全日本選手権ジュニアの部シングルス3位。強烈な回転が武器のカットマン。


(文・江良与一)

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