【アナタの知らない卓球の世界】卓球のルールはどう変わった? ルール変更の歴史を徹底解説!
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卓球というスポーツは、その歴史の中で、常に進化と変化を遂げてきました。
その中で行われたルール改正は、卓球をよりスリリングで魅力的なスポーツへと進化させています。
今回はルール改正の歴史について、紹介していきます。
サービストスの高さが16cm以上へ
1987年、当時の卓球界では「ぶっつけサーブ」と呼ばれる、ボールとラケットを強く衝突させるように打つサービス技術が流行していました。
回転数も上げつつ、強い打球を可能とする超強力なサーブであったため、このサーブを使用してしまうと、サーブだけで終わってしまう試合も多く、卓球最大の魅力である、選手間でのラリーの応酬を奪う結果となっていましました。
このままでは卓球がつまらなくなると危惧した協会は、フェアでスリリングな試合を実現すべく、サーブのトスの高さに制限を設けるルール改正を行いました。
この変更の効果は凄まじく、現在のスピーディーでスペクタクルな卓球競技を見ることが出来ているのは、このルール改正があったためとも言われています。
ボールの大きさが38mmから40mmへ
当時のボールは現在よりも一回り小さく、回転が強烈で、相手のサーブをレシーブすることが非常に難しく、しかも観客もボールを追えず、楽しめないという問題がありました。
そこで、2000年に直径40mmのボールに変更されました。
このボールの変化は、ボール自体が見やすくなる、空気抵抗が増えて打球速度が低下する、等の好材料も多く、卓球の試合をより楽しめるようになったと言われています。
1セット21点制から1セット11点制へ
2001年にルールが変更されるまで、卓球は1ゲーム21点先取、サーブは5本交代で行われていました。
21点という長丁場ゆえ単調な試合も多く、しかもサーブ権も5本ごとの交代であったため、流れが傾きやすく、一方の選手がポイントを連取する場面も多く見られました。玄人好みで、卓球を初めて観る方にとってはあまり楽しめない、どちらかというとワンテンポの試合展開が続いてしまっていました。
このままでは卓球人口が減少してしまうと考えた協会は、ここで1セット11点制へ変更します。
これにより、逆転の可能性が増し、試合はダイナミックに変化していきました。競技者と観客の緊張感が一気に高まり、卓球は新たな興奮の領域へと突入していくことになります。
ボディハイドサーブの禁止
ボディハイドサーブとは、体の一部を使ってボールを隠すサーブのことを指します。
2002年以前、このサーブは圧倒的効果をもたらしており、多くの選手がボディハイドサーブで結果を出していました。
しかし、同時にラリーが続かないという影響も及ぼしていました。
特に2000年代初頭は、卓球の人気が世界的に低下していたため、卓球人気のさらなる下落を食い止める一手として、2002年にボディハイドサーブの禁止がルール化されました。
ただこのルールは未だ、曖昧なところも多く、現在でもプロ・アマ問わず、違反と思われるサーブが見受けられています。
解決すべき多くの難しい課題を抱え、今後議論が必要なルールの一つといえるかもしれません。
まとめ
いま張本智和選手、早田ひな選手など、トッププロたちのプレーは、一競技の域を超えたひとつのエンターテインメントとしてファンに受け止められ始めています。
そして、これまで見てきたように、卓球の歴史の中で行われてきたルール改正には、プレーする側も、観客側ももっと競技を楽しめるように、との思いが常に背景にありました。
卓球のルール(とその変遷)を知ったうえで観戦してもらうと、また違った視点で卓球をより一層楽しむことが出来ると思いますので、ぜひ皆さまもそのあたりにも少し意識を傾けながら観戦していっていただければと思います。
(文・富永陽介)