【ツギクルTリーガー】もっと出場機会を増やしたいTリーグ初代メンバー 柏竹琉
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ノジマTリーグ2023-24シーズンはITTF世界卓球選手権釜山大会開催のためただいま小休止中ですが、男子はトップの木下マイスター東京と2位の琉球アスティーダの勝ち点差が2点と大接戦です。チーム成績もさることながらシングルスの個人成績も張本智和選手とリンユンジュ選手が同じ勝敗数で並んでおり、こちらも目が離せません。3月2日の再開が待ち遠しいところです。
さて今回は、現在4位とプレーオフ進出争い真っ最中の岡山リベッツ(以下岡山R)の柏竹琉(かしわ・たける)選手を紹介いたします。
柏選手は2001年4月に岡山県で誕生しました。父が関西高校卓球部監督の幸浩さん、兄は関西高校、中央大学で卓球選手として活躍し、現在新潟県のQuest新潟クラブでコーチを務める友貴さんという卓球一家に育った柏選手。地元岡山の強豪チームのTCマルカワとねや卓球クラブで、5歳の時からラケットを握ります。小学校時代から全国レベルの大会で上位入賞を度々果たし、2013年には東アジアホープスの日本代表に選ばれ、団体戦優勝に貢献しました。
小学校卒業後は親元を離れて上京し、JOCエリートアカデミーに所属します。中学は同アカデミーに通いやすい北区立稲付中学に通い、高校は数多くの好選手を輩出した名門帝京高校に進学。中高通じてJOCエリートアカデミーで研鑽を積み続け、帝京高校でも高いレベルで腕を磨いた柏選手は数多くの国際試合で好成績を修めます。特に2018年にはベルギージュニア&カデットオープU18男子ダブルス優勝、スロバキアジュニアオープン男子シングルス準優勝と傑出した成績を残し、勢いそのままに同年に発足したTリーグに地元岡山の岡山Rから参戦します。
しかし、ここからはTリーグの厚い壁を破れないシーズンが続いています。2019年に進学した関東大学卓球界の雄、早稲田大学での活動との兼ね合いもあったのでしょうか、2018年から2022年までの通算5シーズンで、出場したのは2019-20シーズンのダブルス1試合のみで、しかも敗戦とあまりにも寂しい成績しか残せていません。2023-24シーズンも2月21日現在で出場試合0と厳しい状況が続いています。地元出身の柏選手が飛躍し、チームの顔となるような活躍を見せて、岡山Rの屋台骨を支えて欲しいと願っていたであろうチームの首脳陣も、岡山県の卓球ファンも大いに歯がゆい思いをしているに違いありません。本人も同じ思いのようで、今季は、背番号を入団当初から背負っていた7から50に変更し、並々ならぬ決意で臨みましたが、残念ながら結果に結びつかないままです。
柏選手の戦型は右シェークドライブ型で、「教科書に載せたい」とまで形容されるほどの癖のない、美しいフォームからのドライブが特色です。そして、最大の特長はドライブを放つフォームがピタリと決まっているため、ミスショットになる確率が非常に少ない点にあります。また前陣での台上技術から後陣のロビングまでどの位置でも穴がないというオールラウンダーでもあります。オールラウンダーとしてはレジェンド水谷隼氏が有名ですが、柏選手も水谷氏レベルのオールラウンダーになる素質は十分に持ち合わせているとみている専門家は少なくありません。何か一つきっかけをつかめば大爆発するはずという期待を常に抱かせている柏選手。そろそろ本当の大爆発を見せて欲しいものです。
柏竹琉(かしわ・たける)
2001年4月11日岡山県生まれ。北区立稲付中学、帝京高校を経て現在早稲田大学在学中で同大学の卓球部では副将を務める。岡山RにはTリーグ発足初年度の2018-19シーズンから所属。美しいフォームからのドライブとミスの少ない試合運びが最大の特長。
(文・江良与一)