【ツギクルTリーガー】会社員とTリーガーの二刀流 龍崎東寅


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【ツギクルTリーガー】会社員とTリーガーの二刀流 龍崎東寅


ノジマTリーグ2023-24シーズンは、いよいよ今週末にプレーオフを迎えます。シーズン下位のチームが下剋上を果たすのか、シーズン首位通過の男子木下マイスター東京、女子木下アビエル神奈川が「横綱相撲」でねじ伏せるのか、大いに注目したいところです。シーズンの掉尾を飾るにふさわしい熱戦を期待しましょう。

さて、今回はシーズン4位とあと一歩のところでプレーオフ進出を逃した静岡ジェード(以下静岡J)から、会社員とTリーガーという異色の二刀流で活躍中の龍崎東寅(りゅうざき・とんいん)選手を紹介いたします。

龍崎選手は1998年12月に新潟県で誕生しました。中国プロコーチの経歴を持つ父の姚天明さんが指導する、新発田ジュニア卓球クラブで5歳からラケットを握り始めます。天賦の才にプロコーチの指導がうまくマッチしたのでしょうか、全日本選手権バンビ、カブ、ホープス、カデットの各部でいずれも優勝を果たし、「怪物」の名をほしいままにします。

小学校卒業後はJOCエリートアカデミーに入学するために上京。同期で同アカデミーへの入学を許されたのは龍崎選手のみという超エリート待遇の中で修練を積みます。そして北区立稲付中学・帝京高校時代は2015年のフィリピンオープンU21男子シングルス優勝、2016年世界ジュニア選手権では張本智和選手(琉球アスティーダ)と組んだ男子ダブルスで銀メダルなど、国内よりも国際大会で好成績を収めます。

高校卒業後は、数々の名選手を輩出した明治大学に進学し、1年時から主力選手として活躍します。大学3年までのリーグ戦(4年時はコロナ禍の影響でリーグ戦中止)ではシングルス34勝7敗、ダブルス20勝8敗と傑出した成績を残し、4年時には主将も務めました。この時期に「チーム」として戦い、勝つことの楽しさ・喜びを味わったそうです。

大学卒業後は、卓球チームを持つ企業ではなく、三井住友海上火災保険株式会社(以下MS&AD)に入社するという異色のコースを選び、同時に岡山リベッツ(以下岡山R)に入団して、会社員とTリーガーという二刀流の道を歩み始めました。MS&ADに会社員とプロスポーツ選手との兼業を認める制度があるということを、大学時代に知った彼が選んだこの進路は、今後の活躍いかんによっては、後輩たちに新しい道を拓くことにつながるかもしれません。

Tリーガーとしての龍崎選手は苦戦中です。岡山R入団初年度である2021-22シーズンはシングルスのみ9試合に出場して1勝8敗、2022-23シーズンは出場なしに終わりました。静岡Jに移籍した2023-24シーズンは、シングルスこそ0勝1敗に終わったものの、明治大学の先輩森薗政崇選手と組んだダブルスでは11勝7敗の好成績を残し、Tリーグのレベルにフィットしてきたことを感じさせました。

龍崎選手の戦型はオーソドックスな右シェークドライブ型です。フォアからのドライブが特に強烈で、バック側にきた打球も回り込んでフォアにしてしまうフットワークも持ち合わせています。近年はバックからのショットに磨きをかけ、無理に回り込んでの強打に拘らず、バックでうまく繋いでチャンスボールを待つという柔軟さ、粘り強さも出て、長いラリーの末に打ち勝つという展開も増えてきました。かつての怪物少年が、本物の怪物に進化する姿を期待して応援していきましょう。


龍崎東寅(りゅうざき・とんいん)
1998年12月29日新潟県生まれ。JOCエリートアカデミー、明治大学を経て、MS&ADに入社しプロ卓球選手との「二刀流」を実践中。2021-22シーズンより岡山Rに所属、2023-24シーズンから静岡Jに移籍。戦型は右シェークドライブ型でフォアからの強烈なドライブが最大の武器。


(文・江良与一)

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