T男子ファイナル、木下M東京、岡山を3-1で下し、見事な優勝!林、松島、戸上強すぎだ!
卓球王国
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Tリーグの6シーズン目、木下マイスター東京と、前日に琉球アスティーダを破った岡山リベッツが対戦。林昀儒、松島輝空、戸上隼輔の3人が2人の元中国代表を揃えた岡山を圧倒し、優勝を決め、賞金1千万円を獲得した。プレーオフのMVPが松島が受賞した。
<Tリーグ男子ファイナル>
木下マイスター東京 3-1 岡山リベッツ
篠塚/戸上 9、-9、-9 丹羽/ヤン◯
◯林昀儒 -11、3、1、9 ハオ・シュアイ
◯松島輝空 7、10、-3、6ヤン・アン
◯戸上隼輔 2、8、3 吉山僚一
*観客数 2002人
トップのダブルス、木下はパリ五輪の団体戦で組むことが予想される戸上と篠塚のペアだ。今シーズンの前半では精彩を欠いていたヤン・アンは練習をやり込んできているのか、中国代表時代の動きを見せている。丹羽の集中力も高い。激しい打撃戦で、3ゲーム目、11-9で岡山ペアが勝利した。「たくさんのファンの方の応援が嬉しかった」(ヤン・アン)。「昨日負けて悔しかったが、今日のダブルスで勝てて嬉しい」(丹羽)。
木下の2番はシーズンMVPの林昀儒(チャイニーズタイペイ/リン・ユンジュ)、世界ランキング6位の実力者だ。対する岡山は七色のサービスの使い手、元中国代表のハオ・シュアイ。お互いがサービスの名手だけに1ゲーム目からサービスを持った時の主導権争いになった。言い換えれば相手サービスを上手くレシーブしたほうが勝つ。12-11からハオがうまくバック前を処理して13-11で先取した。
しかし、2ゲーム目以降、林のバックからの連続攻撃が素晴らしく、カウンターのミスもなくなり、3本、1本とゲームを連取。林の強い攻撃は止まらない。4ゲーム目、ハオが食い下がるも10-9から林のバックハンドが鋭くハオのミドルを突き、勝負は決した。世界6位の実力だった。「苦しい試合でしたが最後に勝ててよかった」(林昀儒)。
3番は松島とヤン・アン。1ゲーム目のスタートから松島の強打が炸裂する。ミスもあるが、相手のつなぎをことごとく狙っていくためにヤンも調子が出ない。点数を得るも失うも松島次第なのだ。10-7からも松島のバックストレートのフォアドライブがヤンのバックサイドを打ち抜いた。
2ゲーム目、ヤンはラリー戦に持ち込み、松島のミスを誘う。そして決め球、フォアで回り込んでのバッククロスのドライブが決まっていく。リードが縮まり、8-7になったところでタイムアウト。10-7とヤンがゲームポイントを奪うも10-10と松島が粘る。次の1本、松島のチキータがエッジボールで入り11-10と逆転、そして松島のフォアへの強烈な下回転のロングサービスをヤンがネットミス。松島が5本連続得点でゲームを連取した。
3ゲーム目はヤンが3本で取り返し、4ゲーム目、松島の強打がヤンに襲いかかり、3-1でヤン・アンを倒した。「最後まで諦めずにやって勝てて良かった」(松島)
4番は木下の戸上隼輔対岡山の吉山僚一。1ゲーム目出足から戸上のバックハンドが的確に吉山のコートに突き刺さる。11-2で先取。2ゲーム目、中盤まで吉山がリードするも5-7から戸上が5本連続得点、11-8で戸上がゲーム連取。優勝に王手をかけた。
3ゲーム目、戸上は出足から飛ばす。4-1とリードしたところで吉山はタイムアウトをとるも、流れを変えられない。11-3の見事な締めで、戸上はチームの優勝を決めた。
プレーオフのMVPは松島。「MVPに選ばれて非常に嬉しいです。この20万円(賞金)を大事に使います」。倉嶋監督は「去年はファイナルで負けたので、その借りをファイナルで返したかった。応援ありがとうございました。来年、連覇できるように頑張ります」とコメントを残した。
●岡山リベッツ、ダブルスで活躍した丹羽孝希のコメント
「木下には今シーズンも勝っていなくて、1ゲームずつ取ろうと思っていた。結果、敗れたけど、みんなが良い試合ができたと思います。ぼく自身は非常に満足のいくシーズンになった。今シーズン、ぎりぎり3位だったのでレギュラーシーズンをもっと頑張りたい。レギュラーシーズンでの積み重ねが大事。今回、すごい声援を感じていて、力になりました。選手が諦めずにプレーできました」
●岡山リベッツの白神監督のコメント
「少しのところで勝てなかった。そこが木下さんの強さでした。またこの場(ファイナル)に戻ってきて優勝したい。(木下に)林昀儒選手がいるのはプレッシャーになります。3番の松島戦は勝負だったが、最後まで彼は思い切ってやってきて、強かった。市民チームとしてもっと地元に密着して、もっと応援団が増えていってほしい」
●優勝を達成した木下マイスター東京の倉嶋監督のコメント
「琉球のほうが上がってくる確率が高いと思っていた。9割くらいそう思っていた。岡山に対しては今日の朝から対策を立てた。林を3番にしようと思っていたが、もしダブルスが負けて、0−2で3番に回すのは重圧がかかるので、2番に彼を出して、負けたら仕方ないと思っていた。
林がシーズンの半分くらいいたので、彼が練習することが、チームにとっても大きかった。
国際大会が多い中でスケジュールを組むのは大変でした。そういう中でも林は調整力が素晴らしかった。戸上は心配していたけど、この5日間での調整が重要で、今日の朝の練習を見た時に大丈夫だと思った。松島もヤン・アンならいける気がすると言っていた。彼の大物感が出て、成長しているなと感じました」
●優勝を決めた木下・戸上のコメント
「初戦のダブルスで負けてしまったけど、シングルスでは調子も良くて試合に入れた。ダブルスも悪い部分はなくて、ラリー戦での立ち位置や勝負どころで自分たちの強みを出しきれなかったのが課題だった。シングルスでは不安があったが、3番で松島が良い試合をして回してくれたので強い気持ちで試合に入れました。
(パリ五輪に向けて)まずは世界ランキングを上げたいと思っています。4カ月間の中で10位台に入っていきたい。技術力もそうですが、自分の卓球のプレースタイル、戦術を磨いていきたい」
●プレーオフMVPに輝いた木下・松島のコメント
「豪華なメンバーの中で試合ができてよかった。今後、フォアハンドの技術はもっとよくしていきたい。(チームメイト)林選手の一つひとつの技術もすごい。勉強になった。ファイナルで良いプレーを見せられたら良いなと思っていて、それが今日見せることができてよかったです。今日の朝、ヤン選手とやることが決まってビデオを見ずに、自分のプレーをすることを心がけました」