【ツギクルTリーガー】インターハイ制覇の勢いそのままTリーグに参戦 竹谷美涼


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ノジマTリーグ2024-25シーズンが、いよいよ今週末の8月24日(土)に開幕します。女子は昨シーズン1位の木下アビエル神奈川(以下KA神奈川)とプレーオフ王者日本生命レッドエルフ(以下日生RE)の2強を軸にした戦いになると予想されますが、シーズン勝ち点で日生REに一点差まで迫った日本ペイントマレッツ(以下ニッペM)をはじめ、下位チームも上位進出を虎視眈々と狙っています。今シーズンも熱戦を期待しましょう。

さて、今回は連覇を目指す日生REに加わることとなった超大物ルーキー、竹谷美涼(たけや・みすず)選手を紹介いたします。

竹谷選手は2008年4月に、ともに卓球選手だった両親のもとに福岡県で誕生しました。兄が地元のチームでプレーしていた影響もあり、同じチームで卓球を始めた竹谷選手は、小学校低学年の頃から全国大会の常連となり、注目を浴びるようになります。

中学は地元を離れ大阪の貝塚二中に進学。同時にジュニアアシスト卓球アカデミーに入団し、高いレベルで指導を受けることになりました。この指導の成果は中学3年時に大輪の花を咲かせます。全国中学校卓球大会女子シングルスで優勝を果たしたのです。準決勝で小塩悠菜京都カグヤライズ)、決勝で牧野美玲(KA神奈川)という先輩中学生Tリーガー2人を下しての堂々たる優勝でした。

さらに、大阪の強豪香ヶ丘リベルテ高校に進学した今夏のインターハイ女子シングルスで、高校1年生にして優勝を果たします。高校1年でのインターハイ優勝は、前年の青木咲智(ニッペM)に引き続いて2年連続の快挙でした。過去にはレジェンド石川佳純さんや早田ひな選手(日生RE)ら、「日本のエース」と呼ばれるような選手が果たしている、この快挙で竹谷選手は一気に日本のエース候補と目されるようになりました。

そして、この実績を引っ提げ、今シーズンからTリーグに参戦します。所属する日生REは、有望選手が多数ひしめく強豪チームではありますが、昨シーズンは早田選手とともに二枚看板だった伊藤美誠選手が、国際大会を主戦場とすることを表明してチームを去ることとなり、新戦力の台頭が期待されています。ルーキー竹谷選手はまさにこのピースに当てはまります。竹谷選手が「2年連続優勝」の勢いそのままに勝ち星を重ねることができれば日生REの連覇の可能性が限りなく高まります。そして、Tリーグで活躍し、実績を積むことは、次回のロサンゼルス五輪の候補に名乗りをあげることにもつながっていくのです。

竹谷選手の戦型はオーソドックスな右シェークドライブ型で、強力なドライブを連発して相手を圧倒することが最大の持ち味ですが、インターハイではドライブに拘らず、ツッツキを多用して相手に揺さぶりをかけ、チャンスボールを引き出して仕留めるという場面が数多く観られました。何がなんでもドライブ、というスタイルを改め、我慢ができるようになったことで、勝負強さが増し、大きな大会で好成績を収めることにもつながっているようです。竹谷選手が試合巧者揃いのTリーグの中で揉まれ、現在持っている技術により一層磨きをかけ、さらに新しい技術を身につけることができれば、日本の大黒柱に成長していくこととなるでしょう。高校王者がどこまで快進撃を続けるのか、そしてどのように成長するのか、期待して応援していきましょう。


竹谷美鈴(たけや・みすず)
2008年4月17日福岡県生まれ。小学生時代から全国大会の常連として活躍。中学入学と同時にジュニアアシスト卓球アカデミーに入り腕を磨き、中学3年生時には全国中学校卓球大会女子シングルスで優勝。今夏のインターハイでも高校1年生にして女子シングルスを制した。2024-25シーズンより日生RE入団。戦型は右シェークドライブ型で、強力なドライブのみならず、細かい技術もハイレベル。


(文・江良与一)

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