【アナタの知らない卓球の世界】実は超過酷、トップ選手たちのハードな選手生活を紹介
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野球であれサッカーであれ、プロ選手ともなると華やかな舞台での活躍とは裏腹に、食事、家族との時間などの面で制限がかかってきます。
とりわけ、Tリーグに所属するプロ選手たちの日常は、他のスポーツ選手よりも大変なのでは? と個人的に感じてしまうほど。今回の当記事では、そんなTリーグのトップ選手たちの過酷な日常について、ご紹介していきたいと思います。
オフシーズンがない!
卓球選手にはほとんど「オフシーズン」が存在しません。
基本どのスポーツでも、シーズンが終わると一定期間の休息が与えられます。
ただ卓球の場合にはTリーグの試合に加え、国内外での大会が年間を通じて行われるため、選手たちは休む暇もなく次の試合(大会)へと備えなければならないのです。
特に、世界ランキングを維持するためには定期的に海外の大会に出場し、ポイントを獲得し続ける必要があります。
そのため長期的な休養を取ることが難しく、結果的に身体的な疲労だけでなく、精神的なプレッシャーも大きくなります。
ある選手の話によれば、「1カ月半くらいずっと日本に帰らないで、ヨーロッパに行って、帰ってきた次の日にTリーグの試合があるなんてこともあって大変だった」なども聞かれていたりします。
遠征の量が異常
Tリーグの選手たちは、国内リーグ戦だけでなく、国際大会である世界卓球や、WTT(ワールド・テーブルテニス)ツアーにも積極的に参戦しています。
先述の通り、これには卓球世界ランクが関係しています。ランキングによって選手の価値が決まってしまう側面があるからです。
ただ、その存在によって、各大会への参加、そして遠征の量を増大させることに繋がってしまっています。
そのため多くの選手が海外と日本を行ったり来たりし、早田ひな選手のパリ五輪での逸話として、「忙しすぎて、目の前の一瞬一瞬を過ごすのに精いっぱい。今も(日本に)帰ってきたら(遠征時に使った)5、6個スーツケースが部屋の前にあって、それを片付けていた」なども残っています。
長期の遠征生活で体力的にも精神的にも疲弊する選手が多く存在する点は、卓球界の課題のひとつとなっています。
経済的負担も
またこれらの大会に参加するためには、エントリー費用や交通費、宿泊費などが必要で、その総額は1大会あたり数十万円にもなるといわれています。
しかも、日本では主要な大会以外の費用は自己負担となることが多く、年間で複数の大会に出場する場合、その費用は数百万円にのぼることも。
もちろん選手によっては、スポンサーや卓球メーカーとの契約で一部の費用がカバーされる場合もありますが、それでも多くの選手が自費での大会参加を続けています。
そのため、Tリーグ参戦をはたしプロ契約をして選手としての価値を高め、強力なスポンサーやクラブチームのサポートを獲得しなければ、世界の舞台で戦い続けることは困難なのです。
まとめ
いつもとは少し違った角度からTリーガーを見つめてきた今回ですが、いかがでしたでしょうか。
経済的な負担や、遠征生活の厳しさ、そして休む間もない戦いの日々。そして、もちろんここには挙げきれなかった課題もあります。
それでも、彼らは卓球という競技を愛し、日々さらに強くなりたいと願いながら、その魅力を広めるために全力を尽くしています。
ファン一人一人にできることは微々たるものですが、Tリーグを通じ選手たちに熱い声援を送り続けることで、もしかしたら何かが変わっていくのかもしれません。
(文・富永陽介)