【ツギクルTリーガーの通信簿】次世代エースへの道を着実に歩む 吉山僚一


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【ツギクルTリーガーの通信簿】次世代エースへの道を着実に歩む 吉山僚一


1週間の小休止を挟んで再開されたノジマTリーグ2024-25シーズン。女子は日本ペイントマレッツ(以下ニッペM)が破竹の7連勝と絶好調である一方、男子は岡山リベッツ(以下岡山R)が首位木下マイスター東京(以下KM東京)を撃破する殊勲の星を挙げました。シーズンは中盤戦にさしかかったところですが、女子はニッペMの独走を許さない展開を、男子はより混戦になるような展開を期待しましょう。

さて、今回の通信簿は、KM東京戦勝利の立役者となった岡山Rの吉山僚一選手にご登場いただきます。

吉山選手は愛工大名電高校在学中の2020-21シーズンに、岡山Rに入団しTリーガーデビューを果たしました。全国中学校卓球大会男子シングルス優勝、全日本卓球選手権大会ジュニアの部男子シングルス優勝という華々しい実績を引っ提げての参戦でしたが、Tリーグの壁は予想以上に高かったようで、シングルスのみ2試合に出場し0勝2敗と、勝利はおろか出場機会すらなかなかつかめないシーズンとなりました。翌21-22シーズンもシングルスのみの出場で0勝2敗と、「試運転」期間が続いてしまいました。日本大学への進学も果たした3シーズン目の22-23シーズンに、ようやくTリーグでの初勝利を挙げましたが、このシーズンもシングルスのみ8試合の出場で2勝6敗の成績に終わりました。ただし、出場機会が増えたことは確かな成長の証となりました。4シーズン目となった昨シーズンは14試合出場と、主力選手としての抜擢を受けました。そして、序盤こそ負け星が先行しましたが、シーズン通算では7勝7敗と主力選手としての扱いに見合った成績を残しました。こうして迎えた今シーズンは、10月21日現在シングルス4試合に出場して3勝1敗と素晴らしい滑り出しを見せています。特に前節のKM東京戦では、弟であり僚友でもある吉山和希選手の「天敵」にして、吉山選手自身も幼少期から熾烈な戦いを繰り広げてきた松島輝空選手をフルセットの末下し、岡山R勝利の立役者となりました。Tリーグでの試合修練もさることながら、インターハイでの団体戦優勝などで「勝利の味」を覚えたことや、数々の国際試合で世界の強豪と対戦した経験などが、吉山選手成長の糧となったようです。いよいよ覚醒の時を迎えたのではないでしょうか。

吉山選手の戦型は右シェークドライブ型で、安定した球捌きのフォアとバックハンドの強打が最大の特徴です。特にバックを得意とし、台上のどこからでもチキータを繰り出す器用さと、強力なドライブを放ち続ける二面性を持ち合わせています。また、強烈なスピンをかけたサービスも大きな武器の一つで、YGサーブでエースを奪う場面もしばしば見られます。

今シーズンは、弟の和希選手も及川瑞基選手との「みかずきペア」でダブルス4勝無敗と絶好調で、吉山兄弟が岡山Rを牽引していると言っても良い状態です。両選手が現在の好調さを維持し続けることができれば、岡山Rが悲願のTリーグ初優勝をつかむ可能性がグンと高まります。吉山選手個人にとっても、今シーズンは日本を代表する選手へとジャンプアップするのに格好の舞台となります。岡山Rの初優勝と吉山選手の飛躍を期待して、応援していきましょう。


吉山僚一(よしやま・りょういち)
2004年7月16日埼玉県生まれ。愛工大名電中学・高校を経て、現在日本大学在学中。弟の和希さんも岡山R所属のTリーガー。2020年、2022年の全日本卓球選手権大会ジュニアの部男子シングルスで優勝。2020-21シーズンから岡山Rに入団。戦型は右シェークドライブ型で、特にバックハンドが強力。


(文・江良与一)

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